ドイツで脳炎を起こすと見られる新型の「ボルナウイルス」と見られるウイルスが確認されたようだ。
リスを育てるブリーダー3人が相次いで謎の脳炎で死亡。そこからウイルスの発見につながった。
ドイツの研究グループが、有力医学誌であるニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌2015年7月9日号で報告した。
脳からウイルス
2011年から2013年にかけ、リスのブリーダー3人がよく似た症状の脳炎にかかり、発症から2カ月~4カ月後に死亡した。
研究グループは遺伝子解析の技術をつかって、これまで知られていないウイルスを特定した。次世代シーケンシングとリアルタイム逆転写定量的PCR(RT-qPCR)法と呼ばれる方法を組み合わせ、多種多様な病原体も含めたゲノムを網羅的に調べる方法を取っている。
「ボルナウイルス」と呼ばれるウイルスで、死亡したブリーダーと接触のあったリス、ブリーダー3人の脳から確認した。
ボルナウイルスは、主にウマがかかるボルナ病と呼ばれる感染症の原因ウイルスとして知られている。
新たに命名
ウイルスの分類を調べたところ、系統発生解析によりこれまで知られていたボルナウイルスとは別ものであると分かった。
研究グループは、このウイルスを一時的に異型リスボルナウイルス1型(VSBV-1)と名付けている。
新種の病気は突然現われる。
文献情報
Hoffmann B et al. A Variegated Squirrel Bornavirus Associated with Fatal Human Encephalitis. N Engl J Med. 2015;373:154-62.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26154788
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