【ソウル聯合ニュース】中東呼吸器症候群(MERS)流行の影響で遠のいた中国人観光客の客足を取り戻すため韓国のアシアナ航空やロッテホテルなどが招いた中国人訪韓団が16日、ソウルの繁華街・明洞を視察に訪れた。
訪韓団は中国全域から招かれた旅行会社関係者150人とマスコミ関係者40人、パワーブロガー10人ら約200人。
明洞商圏における中国人観光客の影響力の大きさを示すかのように、朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長や朴柱宣(パク・ジュソン)国会教育文化体育観光委員長らが自ら一行を出迎えた。
この日、訪韓団のうちマスクを着けている人は一人も見当たらなかった。明洞にいたほかの外国人観光客や市民の間でも、マスクをしている人は数えるくらいだった。
中国の湖南省から訪れた新聞記者の女性は「到着前はMERSが心配だったが、来てみるとMERSの痕跡はほとんど見当たらず、人々も親切に応対してくれた。韓国はMERSの流行が終息し、安全だと報道することになるだろう」とコメントした。
また、江蘇省の旅行会社に勤める女性社員は「韓国で人々が普通に生活している姿を見て安心した。韓国の全体的な印象も良く、帰国したら人々に訪韓を勧めたい」と語った。
中国人観光客らが少しずつ戻りつつあるものの、明洞には依然としてMERSの影響が色濃く残る。
明洞商人連合会によると、MERSの流行により各店で客の数が半分以下に減り、大きなダメージを受けたという。特に、ここ2~3年は中国人が客の6~7割を占めるまでになっており、その姿が消えたことで明洞が閑散となった。
大型コスメショップの女性店員は「売り上げが落ち込み、周りでは店員を解雇したり長期休暇を取らせたりする店が増えている」と明かす。
こうした状況だけに、中国人の誘致に向けたソウル市や観光業界の努力に大きな期待がかかる。
この日、朴市長は「一日観光ガイド」として中国人一行の案内を務め、観光客向けに夏の花火大会をはじめとするさまざまなイベントを計画していることなどを紹介した。
訪韓団は青瓦台(大統領府)や漢江、複合商業施設の第2ロッテワールドなどを訪問し、18日に出国する。
一方、アシアナ航空は24日から26日にかけ、日本の旅行業界や自治体、マスコミ関係者ら390人を招き、同様の視察を実施する予定だ。