日本人教授が診断する韓国の「先進国病」

日本人教授が診断する韓国の「先進国病」

【新刊】大西裕著、パク・ヨンジョン訳『先進国・韓国の憂鬱(ゆううつ)』(イェムン社)

 「韓国は既に先進国」。神戸大学の比較政治学者で韓国通でもある大西裕教授は、そう断言する。民主主義の成熟度、国民1人当たりのGDP(国内総生産)など国際的な基準に照らしてみると、韓国は明らかに先進国だという。少子化と高齢化、二極化や青年の失業など現在韓国を苦しめている社会問題も、先進国になったがために罹患(りかん)した「病気」だ。

 本書は、先進国・韓国に対する称賛ではなく、韓国の「先進国病」の診断と展望に力点を置いている。アジア通貨危機以降のおよそ20年間を、先進国病の挑戦に対する各政権の政策的応戦という一貫した観点で見詰めている。金大中(キム・デジュン)政権の改革が、金大中大統領自身の考えから出てきたものだとか、朴槿恵(パク・クンヘ)政権の福祉公約は盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の社会投資国家構想と類似しており、当時の政策を体系化したものであるとか、一部論争になりそうな主張が目に留まる。280ページ、1万5000ウォン(約1660円)。

権承俊(クォン・スンジュン)記者
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