統合失調症には注射薬の方が効果、再発が飲み薬は3人に1人のところ5%程度に
長時間作用型のリスペリドンの効果を検証

写真はイメージ。記事と直接の関係はありません。(写真:Steven Depolo/クリエイティブ・コモンズ表示 2.0 一般)

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 統合失調症の治療手段は限られているが、新しい治療手段が有効になるかもしれない。

薬はやめてしまうが

 米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校のケネス・スボトニク氏らの研究グループが、ジャマ(JAMA)サイカイアトリー誌において2015年6月24日に報告している。

 研究グループによると、統合失調症にかかっている人は、米国で200万から300万人に上ると説明する。幻覚、妄想、混乱を来す病気。

 治療をしなければ生活の質が失われる可能性があるが、抗精神病薬の錠剤を毎日飲めば、数年間は症状が出ずに病気をコントロールすることができる。

 問題なのは、症状が改善すると、薬を止めてしまう人が多いことだ。

注射なら続く

 研究グループは、統合失調症の83人を1年間追跡。半数はリスペリドンの飲み薬を毎日飲み、残りの半数は長時間作用型の注射薬の形式で治療を受けた。

 統合失調症の場合、抗精神病薬のリスペリドンを2週間に一度注射すると、症状の改善後に症状が戻るリスクを下げられるという結果になった。

 12カ月にわたって注射薬で治療を受けた人のうち、精神病的な症状が再発したのは5%のみだったが、錠剤を飲んでいた人では33%だった。

発症したばかり効果高い

 中でも最近発症したばかりの人で特に効果が高かった。

 治療中により早いタイミングで持続性の注射薬を処方することを検討すべきだと、研究グループは語っている。

 日本でも利用可能な薬で、病気に関わる人は参考にしたい。

文献情報

Long-acting antipsychotic medication may improve treatment for schizophrenia

http://newsroom.ucla.edu/releases/long-acting-antipsychotic-medication-may-improve-treatment-for-schizophrenia

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