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脳の神経細胞刺激でマウス「うつ」改善
6月18日 6時27分

うつ状態のマウスの脳に光を当てて神経細胞を刺激することで、うつの症状を改善させることに成功したと、理研ーMIT神経回路遺伝学研究センターのグループが発表しました。うつ病の新たな治療法の開発につながる可能性があるとしています。
この研究を行ったのは、ノーベル賞受賞者で理研ーMIT神経回路遺伝学研究センターの利根川進センター長のグループです。
グループでは、まずオスのマウスにメスと一緒に過ごす体験をさせたあと、ラップフィルムを巻きつけて体を固定するストレスを10日間、与えました。するとマウスは、しっぽを持ってつり下げるような「嫌な刺激」を与えても抵抗しにくくなったり、本来好む甘い砂糖水を好んで飲まなくなるなど、「うつ」の状態を示すようになりました。
しかし、光を使って細胞を刺激する「オプトジェネティクス」と呼ばれる技術で、メスと遊んだ楽しい記憶が収められている部分の脳神経細胞を活性化させると、マウスは再び「嫌な刺激」に抵抗したり、砂糖水を好む行動を見せたということです。
利根川センター長は、「オプトジェネティクスの技術でマウスのうつ病が改善できた。記憶の基本的な仕組みは人間も似ていると思われるので、直接、脳の神経細胞を刺激する技術の開発が進めば、将来、うつ病の新たな治療法につながる可能性がある」と話しています。

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