山本知弘
2015年6月15日05時10分
世界で初めて電動アシスト自転車を売り出したヤマハ発動機で、欧州向けの基幹部品が急伸中だ。2014年の輸出台数は前年の16倍の5万3千台となり、15年は8万台をねらう。ペダルを踏む力を補うモーターなどの心臓部で軽さと小ささを追求し、デザイン性も重視。現地の一流自転車メーカーの心をつかんだ。
モーターやセンサーを集めた基幹部品の「ドライブユニット」で、大ヒットした欧州向けの新製品は、13年後半に生産が始まった。
ドイツやスイスなどの欧州では、電動アシスト自転車市場が急成長し、年間100万台ほど売れている。険しい山道の上り下りや長距離ツーリングなど、欧州ならではの使われ方もあり、市場規模はいまや日本の2倍だ。
こうした乗り方の違いなども研究。ライバルの独ボッシュ社の「一歩先」をめざし、ペダルの回転軸と後輪の車軸との距離を縮めて、こいだ力がよりじかに伝わるよう、設計を見直した。重さはこれまでのヤマハ製品より1割超軽い約3・5キロにして、小型化。性能と車体のデザインを損ねない大きさが、スポーツタイプの電動アシスト自転車をつくるドイツやオランダの一流メーカーに注目された。「ここまで伸びるとは思わなかった」(海外営業担当の池辺正一郎・SPV事業部主査)というほど、一気に注文が増えた。
快走は続く。静岡県森町の子会社ヤマハモーターエレクトロニクスの工場では、15年も前年の1・5倍、8万台の輸出を目標にフル生産が続いている。
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