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メーカーの“囲い込み思想”で
日本のIoTが取り残される

日の丸IoTの成否(4)

伊藤慎介 [株式会社rimOnO(リモノ)代表取締役社長]
2015年6月12日
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>>日の丸IoTの成否(3)から続く

 なぜ日本のIoTはうまくいかないのか。

 第4回では、IoTの先駆けともいえるスマートハウス(またはホームネットワーク)、テレマティクス、業務システムなどの事例を挙げながら、このままでは日本のIoTが失敗しかねないリスクについて解説したい。

住宅内の機器が連携するスマートハウス
だが実際には「つながらない」

世界のIoT化は急速に進んでいる。このままでは日本は取り残されかねない

 天気の良い夏のある日。屋根の上にあるソーラーパネルはどんどん発電しているが、家族は全員外出していて、家の中ではほとんど電気が使われていない。周辺の住宅にもソーラーパネルが付いているので地域全体で電気が余っている状況にあり、電力会社に電気を売れそうにない。

 せっかく発電した電気を捨てるのはもったいない。そこで、ソーラーパネルが冷蔵庫、給湯器、充電器と連携して、今のうちにその電気で氷を作る、お湯を沸かす、電動アシスト自転車のバッテリーを充電する。

 このように住宅内で電気を使う機器が、発電機器と連携して最適なエネルギー使用を実現するのが「スマートハウス」の基本概念である。

 

 2009年、このコンセプトを実際に具現化するため、筆者は経済産業省でスマートハウス実証プロジェクトを立ち上げた。

 ところが実際にスマートハウスに取り組んでみると、住宅内の機器同士で連携させることの難しさに直面した。メーカーを超えて機器同士をつなげる「標準」の問題が明らかになったからだ。

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伊藤慎介 [株式会社rimOnO(リモノ)代表取締役社長]

いとう・しんすけ/株式会社rimOnO(リモノ)代表取締役社長。1973年生まれ。京都大学大学院工学研究科卒業後、1999年に通商産業省(現、経済産業省)に入省。経済産業省では、自動車用蓄電池の技術開発プロジェクト、スマートハウスプロジェクト、スマートコミュニティプロジェクトなどの国家プロジェクトを立ち上げた後、2011~2013年には航空機武器宇宙産業課において航空機産業政策に従事。2014年7月に経済産業省を退官し、超小型電気自動車のベンチャー企業、株式会社rimOnOをznug design根津孝太と共に設立。


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