セーリングが江の島に 県、水面下で広域プラン 

東京五輪

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2020年東京五輪のセーリング会場に決定した江の島=7日、相模湾江の島沖

 東京五輪の競技会場見直しを受け、県が水面下で進めてきたセーリング競技の誘致活動が、江の島開催という最高の形で結実した。当初こそ都心から遠く、手狭な会場が難点とされたが、昨秋に課題を整理して「広域開催プラン」を極秘に作成。県幹部らが都や競技団体に持ち込んでいた。

 誘致活動の“号砲”となったのは、舛添要一都知事が近隣県を含めた既存施設の活用方針を示した昨年6月17日の都議会本会議だった。黒岩祐治知事は翌18日の県議会本会議で早速、会場提供に意欲を示した。

 東京・江東区のセーリング会場は、羽田空港の航空管制区域に入り、競技撮影用のヘリを飛ばしにくいなどの課題も浮上していた。一方の江の島は、前回1964年大会でヨット競技の実績があった。「相模湾の海面は東京湾に比べれば波も風も良い」(競技団体幹部)との評価に加え、空域の問題もなかった。

 「勝機あり」とみた県議らがまず動き、当時の向笠茂幸議長らが同年7月中旬に湯河原町の旅館で懇意にする舛添知事と会合。後日、都側から連絡を受け、黒川雅夫副知事らが8月初旬に都幹部と会った。

 だが、都側からは(1)前回より参加者が増えるため、江の島の湘南港では狭い(2)都内の選手村から遠い-といった課題が指摘された。

 県はこれを受け、関係部署を集めて極秘に「江の島開催プラン」を作成。▽江の島~鎌倉・逗子~葉山沖までの広域の水域を競技に活用▽閉鎖した江の島のかながわ女性センター跡地(約2ヘクタール)を本部棟やヨット保管場所として活用▽江の島ヨットハーバーや葉山マリーナの200隻超を周辺の漁港に大会期間中に分散移動する-などを盛り込んだ。

 「葉山御用邸から皇居まで車で1時間かからない」。県幹部らは昨年10月、そんな説明も交えて都の準備委員会などにプランを持ち込んだ。ただし、プランの記者発表は「都や競技団体を刺激したくない」(県幹部)として見送られ、公になることはなかった。

 最終的に稲毛(千葉市)、愛知県蒲郡との争いとなる中、黒岩知事も、大会組織委員会の森喜朗会長や、江の島開催に慎重だったとされるセーリング連盟の首脳らに自ら働きかけたとされる。

 派手なPRはなく、一貫して隠密裏に進められた誘致活動。県幹部は、江の島決定の朗報に「何が決め手になったか分からないが、競技を行う上で最良の自然環境などいい条件は整っていた」と振り返った。 

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