対象OS:Windows 7/Windows 8.1
2015年6月になって、Windows 7またはWindows 8.1のタスクトレイに、次のようなWindowsのアイコンが表示されて驚いた人は多いのではないだろうか?
ただし、Windows 7/8.1搭載PCであれば必ずこの現象が生じる、というわけではない。例えばEnterpriseエディションのWindows OSでは、この現象は見かけないはずだ。
これらは「Windows 10を入手する」というアプリおよびそのタスクトレイアイコンである。ひとことでいえば、Windows 10の無償アップグレードを支援するためにマイクロソフトが用意したアプリで、Windows Updateによってインストールされたものだ。
このアプリでWindows 10のアップグレードを「予約」しておくと、7月29日から無償アップグレードが始まった後、速やかに当該マシンのアップグレードを始められる(あるいはユーザーが都合のよいときに実行できる)。
またWindows 10のアップグレードに関するマイクロソフトからの通知を受け取ったり、さらにはWindows 10との互換性を調べて確認したりできる。詳細は次の記事にまとめられているので、参照していただきたい。
Windows 7/8.1からWindows 10への無償アップグレード期間はあと1年以上もあり(2016年7月末まで可能)、まだまだ余裕がある。開始される7月29日以前からアップグレードを焦る必要はない。
むしろ、デバイスドライバーやアプリのWindows 10対応が進み、アップグレードを成功させるノウハウがある程度確立した後に、落ち着いてアップグレードに取り組む方が、良い結果をもたらすのではないだろうか?
もしそうであれば、こうしたアプリやタスクトレイアイコンは、今のところは不要だ。そこで本TIPSは、これらをアンインストールしたり、表示させないようにしたりする方法を説明する。
「Windows 10を入手する」アプリやタスクトレイアイコンの表示を止めるには、いくつかの方法がある。それぞれメリット/デメリットがあるので、以下から選んで実行していただきたい。
「Windows 10を入手する」アプリをインストールしているのは、「KB3035583」というKB番号の更新プログラムである。従って、この更新プログラムをアンインストールすると「Windows 10を入手する」アプリもコンピューターから削除され、タスクトレイアイコンともども表示されなくなる。
この更新プログラムをアンインストールするには、コントロールパネルの[プログラムと機能]アプレットを用いる。
アンインストールが完了したら、再びWindows Updateによってインストールされないように設定しておく。それにはコントロールパネルのWindows Updateアプレットで左側メニューの[更新プログラムの確認]を実行した後、次の手順でKB3035583の更新プログラムを「非表示」にする。
この方法だと、冒頭に記したWindows Updateアプレットの「Windows 10が間もなく登場」という大きなバナーも表示されなくなる。
その一方で、いざ「Windows 10を入手する」アプリを使いたくなったときは、Windows Updateによってインストールされるのを待たなければならない(執筆時点ではKB3035583のオフラインインストーラーは配布されておらず、手動でインストールすることは困難だ)。
実際、筆者が試した1台のコンピューターでは、KB3035583をアンインストールしたところ、適用可能な更新プログラムのリストにKB3035583が全く表示されなくなってしまった。
「Windows 10を入手する」アプリはインストールしたまま、邪魔(?)なタスクトレイの常駐を止めたい場合は、レジストリの設定を変更する必要がある。
レジストリに不正な値を書き込んでしまうと、システムに重大な障害を及ぼし、最悪の場合、システムの再インストールを余儀なくされることもあります。レジストリエディターの操作は慎重に行うとともに、あくまでご自分のリスクで設定を行ってください。何らかの障害が発生した場合でも、本Windows Server Insider編集部では責任を負いかねます。ご了承ください。
項目 | 内容 |
---|---|
キー | HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\Gwx |
値の名前 | DisableGwx |
値の型 | DWORD |
値の内容 | 「1」→「Windows 10を入手する」タスクトレイを無効化 値そのものが存在しない→「Windows 10を入手する」タスクトレイが常駐 |
「Windows 10を入手する」タスクトレイの常駐を止めるためのレジストリ設定 |
コマンドラインで設定するには、管理者権限のあるコマンドプロンプトを開いて、次のコマンドラインを実行する。
reg add HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\Gwx /v DisableGwx /t REG_DWORD /d 1 /f
その後、いったんログオフ(サインアウト)してからログイン(サインイン)し直すかシステムを再起動すると、タスクトレイアイコンが表示されなくなり、プロセスリストからGWX.exeも消えるはずだ。
ただ、この方法だと、Windows Updateアプレットには依然として「Windows 10が間もなく登場」という大きなバナーが表示されることがある。
本TIPSの執筆時には、本文に記した2つの方法の他にも試したことがある。ただ、無視できないデメリットがあったため本文には載せなかった。何かの参考になるかもしれないので、いちおう以下に記しておく。
■タスクトレイの設定を変更してアイコンと通知の表示を止める
普段利用しないタスクトレイアイコンは、専用のポップアップウィンドウにまとめておくことで、通知も含めてタスクバーに表示させないようにできる。
ただ「Windows 10を入手する」タスクトレイアイコンの場合、再ログオン(サインイン)またはシステムの再起動によって、ふたたびタスクバーに現れるようになる。そのため、あまり実用的とは言えない。
■「Windows 10を入手する」タスクトレイを起動するタスクを無効化する
KB3035583の更新プログラムがインストールされると、関連のある複数のタスクがタスクスケジューラに登録される。そのうちの2つを無効化すると、「Windows 10を入手する」タスクトレイアイコンが起動されなくなった。
筆者が試した限りでは、再ログイン(サインオン)やシステムの再起動でも、タスクトレイアイコンが表示されることはなかった。
ただし、こうしたシステムが登録したタスクは、何かの拍子に自動で復旧される(再び有効化される)ことがよくある。またマイクロソフトが推奨している方法でもない(副作用があるかもしれない)。そのため、こちらもあまりお勧めできない。
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