エルマウ近郊=内田晃、奥寺淳
2015年6月8日10時18分
ドイツ・エルマウで開かれている主要7カ国首脳会議(G7サミット)で7日夜(日本時間8日未明)、外交や安全保障政策について議論があった。安倍晋三首相は、南シナ海などにおける中国の海洋進出の問題に懸念を表明し、各国の首脳も同調した。ウクライナ情勢に関し、ロシアを含む全ての当事者に停戦合意の完全履行を求めることも確認した。
日本政府の説明によると、安倍首相は海洋進出を加速化する中国を念頭に、「東シナ海、南シナ海で緊張を高める動きがあることについて、一方的な現状変更の試みは放置してはならない」と訴えた。これに他の国も賛同し、威嚇や武力の行使、大規模な埋め立てを含む一方的な行為による現状変更に強く反対する▽紛争の平和的解決や、海洋の自由で円滑な利用の重要性を強調することなどで一致したという。
G7のなかで、特に海洋安全保障問題を重要視しているのは日本と米国。米国も、中国による南シナ海での岩礁埋め立ては、航行の自由にかかわる問題として強い懸念を示したとみられる。米国のアーネスト大統領報道官は7日、外交政策の協議の前にエルマウ近郊であった記者会見で「特に南シナ海での航行の自由が混乱したら、米国、そして世界経済に深刻な影響が及ぶ。これはG7各国にとっても同じで、米国特有の問題ではない」と強調した。
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