人種差別主義者が多い地域が一目瞭然の「米国レイシストマップ」が公開される!
先月、アメリカ東部ボルティモアで人種暴動が発生した。これは、黒人青年が警官の過度な暴行により死亡した事件がきっかけだった。アメリカ史上初の黒人大統領バラク・オバマ氏が誕生してから早くも6年経つが、暴動のきっかけとなった事件で露見したあからさまなヘイトクライムや人種差別思想「レイシズム」などが表だって見えない形で広がっているという――。
■「レイシストマップ」が公開される
先月28日「Washington Post」が報じた、Googleの検索結果から作成された、アメリカのレイシズムの広がりを可視化した「レイシストマップ」が話題を呼んでいる。
「レイシストマップ」 「Washington Post」の記事より
地図上の赤く示された地域はレイシスト指数が高く、そして青くなるに連れレイシスト傾向が低くなっている。地図を見るとアメリカで最も人種差別意識が高いと表示されている都市は北東部に集中しており、西部地方にかけてレイシズム傾向が低いことがわかる。特にアメリカ北東部のペンシルバニア州を中心とするコール(石炭)地帯と呼ばれるエリアと、カナダとの国境地帯で五大湖を跨ぎウィスコンシン州東部までを示す「ラストベルト地域」(共に主な商業のグローバル化が進み、事業の外部委託が促進されたことによる不景気が進んでいる地域)で、レイシズムが広まっていることを示している。また、北東部に位置するアメリカ合衆国の最も古い地域でアメリカ独立戦争発祥地であるニューイングランド地方とニューヨーク州の2つの地域も、レイシズムのホットスポットであることが判明した。
■従来の聞き取り調査は事実と異なる! 「Googleトレンド」を使用した斬新な調査方法
今回作成された「レイシストマップ」は、データ科学者のセス・ステファンズ・デヴィッドウィッツ氏が考案した方法論により作成された。この調査方法は、以前オバマ氏が当選したアメリカ大統領選挙の際、いかにレイシズムが選挙結果に反映するかを調査するために使用されたものだ。従来のシンプルな方法で行われる差別意識調査とは一線を画し、「Googleトレンド」を使用するという画期的な方法が取られる。
Google上での検索ワードの結果をまとめた「Googleトレンド」を使った調査は、公的機関などによる調査よりも結果がストレートに出やすいとセス氏は語る。
「人はGoogleでワードを検索する場合、PCの前でひとりになることが多い。そこでは、社会的にタブーな考えを表に出しやすくなる傾向があるんです。つまり人はGoogleの前では驚くほど率直に、素の自分になれるのです」(セス氏)
また、従来の調査方法による結果では、アメリカは比較的異民族に対して寛容であるという結果が出ていた。しかし、その研究結果と実際に存在する差別意識とのギャップが重要だと語る。
「もし、真正面から『あなたはレイシストですか?』と聞いた場合、ほとんどの人がシンプルに『NO』と答えるでしょう。それはアメリカの現代社会で広まっているレイシズム思想が知らないうちに、潜在意識に作用しているからだといえます」(セス氏)
セス氏の考案した「Googleトレンド」を使用した調査方法を使い、今回メリーランド州大学、コロンビア大学、エモリー大学、ハーバーランドの研究者たちが黒人に対するヘイト表現である「ニガー」というワードが含まれる検索に着目してレイシズム意識調査を行った。すると「ニガー」は、「偏頭痛」、「エコノミスト」、「セーター」、「デイリーショウ(アメリカの人気番組)」、「レーカーズ(NBAの人気チーム)」というワードと同頻度に検索されていた。こういった膨大な検索データをもとに数年かけて地域の人々の関心を研究し、エリア別に比較した結果、レイシズムが最も広がっている地域にある恐ろしい傾向があること判明した。
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