【ソウル聯合ニュース】乗務員のナッツの出し方に激怒し離陸直前の航空機を引き返させたとして、航空保安法違反などの罪に問われた大韓航空前副社長の趙顕娥(チョ・ヒョンア)被告が控訴審で執行猶予を言い渡されたのに対し、検察が28日、大法院(最高裁)に上告した。
検察は主要争点だった航空保安法上の航路変更罪について、「航路」は航空機のドアが閉まり地上を移動する時から始まると見なし航路変更罪にあたるとした。しかし、控訴審判決は「航路は少なくとも駐機場での移動は除外されるものと解釈される」としながら、航路変更罪を無罪にした。
一方、趙氏側はこの日、上告しないことを明らかにした。趙氏の弁護士は「自粛と反省の意味から上告しないことにした」と述べた。
趙氏は昨年12月、米ニューヨークの空港で韓国・仁川行きの大韓航空機のファーストクラスに搭乗した際、乗務員のナッツの出し方が間違っていると腹を立て、暴言を浴びせた。また、滑走路に向かっていた航空機を引き返させ、客室サービス責任者を降ろした。
今年1月、航空保安法上の航空機航路変更、航空機安全運航阻害暴行と刑法上の強要、業務妨害、偽計による公務執行妨害の五つの罪で起訴され、2月に一審で懲役1年の実刑判決を受けた。しかし、今月22日の控訴審では懲役10カ月、執行猶予2年を言い渡され、約5カ月ぶりに釈放された。