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 金融機関の仕事である融資や決済などの分野に、米国でITベンチャー企業の参入が相次いでいる。大手銀行などは存在を脅かされかねず、動向を注視している。

 今月中旬、米カリフォルニア州サンノゼで開かれた発表会「フィノベート」。金融のIT化をテーマにしたイベントに、ベンチャー企業約70社が集まった。その一つ、設立2年あまりの「ペイアクティブ」最高経営責任者(CEO)のサフワン・シャーさん(52)は新サービスを発表し、こう述べた。「自分のお金を自分でコントロールできなかった人たちが、これで、自由に使えるようになる」

 シャーさんのサービスは、スマートフォンのアプリで、給料日まで待たなくても働いた分だけの給料を手にし、支払いや投資に回せるというもの。雇用主の企業が契約すれば、給料を前借りするようにして、1時間単位から運用することができる。すでにホテル、医療機関、運輸業界、製造業などの会社で採用され始めているという。日本のソフトバンクなどから670万ドル(約8億円)の投資を集めた。

 金融IT化の成功例として知られるのが、「レンディングクラブ」。銀行を介さずに、お金を借りたい人と貸したい人をつなぐサービスだ。すべてネット上で行われ、窓口業務を行わないことで大幅なコスト削減につながっている。

 米メディアには「借り手が提供する情報の大半が検証されていない」と、貸し倒れリスクを指摘する声もある。それでも、2007年の設立から今年3月末までに約92億5千万ドル(約1兆1190億円)の融資を成立させ、14年末には上場を果たした。