今月14日午後3時ごろ、ソウル市江南区駅三洞のインターネットカフェに、江南警察署駅三地区隊(日本の交番に相当)に所属する警察官が立ち入った。最近、ネットカフェで携帯電話が盗まれる事件がたびたび発生したことから、これを防ぐためパトロールを行ったのだ。警察官がネットカフェ内を巡回していたところ、40代の男が突然、携帯電話を耳に当て「おい、どこをけがしたんだ」と大声で話し始めた。
警察官の姿を見るや否や、大声で話しながらあわててネットカフェを立ち去ろうとした男に対し、警察官は「何があったのか」と尋ねた。男は引き続き携帯電話で話すそぶりを見せながら、警察官に「友人が重傷を負ったというから、急いで行かなければならない。邪魔をするな」と怒鳴り付けた。これに対し警察官は「急を要する事態のようだから、パトカーで連れていってあげる」と持ち掛けたが、次の瞬間、男は警察官を押しのけて逃走した。
結局、男は200メートルほど逃げたが、足がもつれて転倒し、警察官に取り押さえられた。この男(44)は15億ウォン(約1億6500万円)台の横領事件2件で2012年に指名手配されていたことが、警察の調べで分かった。男が自分を取り押さえた警察官に対し「どうして俺が指名手配犯だと分かったのか」と尋ねたところ、「警察官を見るなり、電話をかけるふりをして外に出ようとした人を、不審に思わない警察官がどこにいるか」という答えが返ってきた。それに対し男は「泥棒の足がしびれる(悪いことをすると気がとがめて必ずばれる)というのは、こういうことか」と嘆いたという。