9コンの非常にいい位置をもらっていたRAYについて、
先日東京ドームで行われた9コンでラストパートのいちばん目立つ位置に配置されたRAYは、9コンの中でも屈指の演出過剰盛り曲として、KAT-TUNオタの喝采を浴びた。わたし自身も、ライブ以降RAYか春夏秋冬を思い出して脳内展開する脳内ライブ症候群にかかってしまい延々RAYをリピートする症状に見舞われている。
ところでRAYとは?というと、先日発売されたKAT-TUNの24枚目シングル「KISS KISS KISS」の初回2に収録されたカップリング曲のひとつだ。
KAT-TUN担は大概KAT-TUNというグループのカップリングに信頼をおいているので、毎回カップリング曲も相当話題になるのだが、今回のRAYはコンサート前から「これは絶対やるだろう」という期待の元に楽しみにされていた曲だった。
もちろん曲調がライブ向きでメロディーが良いのはもちろんなんだが、この曲のよさを、歌割及び歌詞という観点で語っていきたい。
歌詞全文は下記をはじめとした歌詞サイトでどうぞ。
・革命の前夜を歌いだしで担当する上田竜也
出だしが「革命の前夜」とはKAT-TUNさすが二次元アイドル。あの甘栗たっちゃんであればついぞ回ってこなかったかもしれないパート 。革命の前夜という高揚と混乱と物騒さと非現実的な雰囲気を醸し出す単語を、 あの金髪強めビジュアルの上田竜也に任せたという点がもう それだけで二次元の異界に連れて行かれる文句なしのパート分け。
・「放っておいて」とあの構ってちゃん田口淳之介が発する
・「DISCOTHEQUE」の発音をする田口淳之介
これ説明いる? 英単語発する田口しかもクラブとかじゃなくて少し懐かしいという か古めかしさも感じるようなディスコっていう単語を発する田口と か軽率に興奮する。 やはり田口生まれる時代間違えてるありがとう。でもきっと田口はいつの時代に生まれてもイケメンだったしアイドルになる運命だよ・・・。
・「仮り初めの君」とサイボーグの如く無表情で歌う中丸雄一
思わず辞書で引いた。仮初め。
かり‐そめ【仮初め/苟=且】[名・形動]1 一時的なこと。また、そのさま。「―の恋」2 ちょっとしたこと。ふとしたこと。また、そのさま。「―の病」3 いいかげんなこと。また、そのさま。「師の恩を―にしてはいけない」
この場合、前後からとらえて一時的なこと、転じて、 ふと間違えたら消えてしまいそうなうそみたいな、 っていうニュアンスだと思うんだけど、 この儚さというか無情さをあらわすようなパートを中丸のあの無機 質な歌声で歌われるとたまらなく興奮する。
あとこれ歌割とかとは別の個人的な好みなんだけど、中丸のきみの「み」 の音の出し方が大層すき。 なかまるの一音飛び出して高い音を出すときの針の穴に糸を通すよ うな繊細なコントロールで一音当ててくる声の出し方がほんっっっ とうにすき。中丸の高音っていうよりも、 飛び跳ねた音をなぜか確実に当てに来る中丸の声の出し方をわたし は心底あいしている。最高。
・「どうせはイミテーション」と諦観を滲ませるアイドル
アイドルの歌うイミテーションって、軽率に深読みしたくなる。 しかも前に置かれる「どうせは」 の諦めたような投げやりさの感じられる言葉。どうやったって「 イミテーション」=紛い物でしかいられないことをわかっていて、 諦めるというのか。
文脈そのものは「わかりあうこと」 をイミテーションとしているわけだけど、 アイドルにイミテーションという単語を言わせることに興奮する性 質だから申し訳ない。
・「愛し合うことがプログラミングされてはいないの」を歌う上田竜也
愛し合うにたいして!ぷろ!ぐら!みん!ぐーーーーーーー!!! !!!!!!!最高かよ!!!!!!!!!!!! 機械仕掛けのアイドル!!!!!!ロボットのアイドル!!!!! !!!!!最高!!!!!!!!!!
藍ちゃんかしらと思ったけどそれはそのまんますぎて逆に芸がなく て、本当に生がある生身の三次元アイドルだからこそ、機械として生まれてプログラミングされていないと嘆く歌詞を歌 うことに意味がある。しかもこのパートをボクシング等で身体性を磨き上げた人間としての「熱」を持つ上田竜也が歌っているこの奇跡。すごすぎる。
・「奈落までへとフリーフォールで」と真っ暗闇へ軽快に落ちていく様を表現する田口淳之介
なんだろう語呂の並び方がすごい。奈落という言葉の底なし絶望感とフリーフォールという言葉の軽さがちぐはぐでいっそきもちいい。
さらに田口の軽快な声の調子で歌われると余計に軽い雰囲気というかスピード感が出て一層「奈落」という言葉のダークさ、底なし感が際立つ良歌割。
(追記:ついったーでご指摘いただいたんだけど中丸らしい!!!うっそ!!!ぜんぜん中丸に聞こえなかった!!!聞き分け苦手なのにこんなの書くから申し訳ない。言い訳すると中丸がこんなに軽い調子で歌えると思ってなかった)
・「カタストロフ」と厨二の愛する単語を真っ向から歌う上田竜也
カタストロフ!!!悲劇!破滅!を!上田竜也が歌うというのか! !!! この世界はどうなっているんだ厨二病患者に優しすぎるこの世の中 !!!!!いまの見るからに強そうな外見をもつ上田竜也に破滅による悲劇という単語を、パートを歌わせるってすごい。
これまた別のところでも書いたけど、たぶん上田竜也というひとは非常にマイナーコードの曲が似合う人で、少し悲しげなメロディーが似合う声質だと思っている。時折倍音さえ聞こえてくるようなきれいな声は、いっそ溶けて消えていきそうなほど、儚い。その上田竜也の声でこそ、破滅の「カタストロフ」を語ることに意味がある。
・2番Bメロはシンメ厨の墓場
信じ合いたいって 依存するグラビティー見つめ合う色だって シンメトリのアナザー何故と咎めたって 涙さえ流せはしないのそれも悪くはない ONLY 君じゃないと
ねえどうしたい。シンメ厨いったい。どうしたら。思わず英語詞以外を抜いてきてしまった。「シンメトリ」という歌詞をジャニーズアイドルに提供するって気が狂っている。シンメトリという単語がきこえただけで興奮する体質のジャニオタがどれほどいると思っているんだ。
シンメトリのアナザー。ジャニーズでいうシンメトリーはもちろん、ダンスを鏡写しに踊る相方のことだ。もはやダンスでシンメという立ち位置を表す当初の意味にとどまらず、もはや生き方まで含めたあるふたりのありかたを我々ジャニオタは「シンメ」と呼んできた。ライバルのふたり、隣合うふたり、背中合わせのふたり、さまざまなふたりに与えられてきた「シンメトリ」という関係性、そして、シンメトリのアナザー、つまり、相方のことを指して歌う、この歌の意味を、我々はどう解釈すべきなんだろう。興奮しすぎて日本語まとまらない。
どうしようもなく重たい恋の歌だと解釈して聞きかけていたこの曲を、シンメとして運命を分け合うふたりとして、もう一度解釈しなおすと、本当に鬱引き起こしてそのまましぬ。
2サビ出だし1行だけでも「信じ合う」「依存」「グラビティー」と重たすぎる関係が浮き彫りになる。ジャニーズのシンメについて、ある意味いちばん大きい要素は「運命を分け合う」だと思っているわたしにこの歌詞が刺さりすぎてつらい。
そうして相手への重たい関係を述べておきながら「何故と咎めたって」、つまりシンメトリのアナザー、相方は、咎められるようなことをしている、本当は「依存」までしている大事な相方を咎めたくはないだろうに、咎めなくてはならないことが悲しくて、それでも感情が身体に反映されず、泣くことさえできない「涙さえ流せない」という悲痛な思いを描く。また、最後にそれさえも受け入れて、「悪くない」「君じゃないと」と相方はひとりしかいないことを確信するのだ。
重ねたシンメはおそらくそれぞれの脳内にあると思いますが、まあお察しの通り某仁亀を想像して死に絶えた。もし前半の3行を亀梨和也が担当していたらそのまま飛び降りてしにたいレベルだった。まだシンメとしての相方が残っている上田竜也にこのパートを振り分けた意図をまたしても伺いたいレベル。でもかえって希望を残すように、まだ現状を受け入れて君だけだと歌うのが亀梨和也であるという時点でもうシンメ厨爆死だしここは墓場。
そもそもかつてうつくしい3組のシンメで成り立っていたKAT-TUNにこの歌をうたわせることが意図的じゃなかったらなんだっていうんだ。こわい。
・「君というmasterpiece」と君という存在が最高傑作であることを認める田口淳之介さん
田口の歌う英単語に弱すぎやしないだろうかマスターピースの響き興奮する(単純)
マスターピースも引いてみた。
【名詞】【可算名詞】傑作,名作,代表作.
マスターピースを君とするということは、シンメトリの相手が最高傑作だと認めているわけで、またしてもシンメトリの相手しかいないんだという強い執着がみえますね・・・・・・鬱(引きずるシンメ説)
・「どんなにも傷を負っても守りたいよ」と淡白そうな中丸が歌う切実さ
普段の中丸さんってわりとクールというか一定の低温を保つタイプだと思っていて、自分を犠牲にしてまで他人を守ろうと思うタイプには見えないのに、あえて中丸にこのパートを与えた意味。響き方が切実すぎる。そもそも中丸の高音で歌われる「守りたいよ」ってインパクト大きい。
・田口淳之介に言われたい「ただ君が欲しいよ」
ここだけは解釈とかそういうのじゃないごめん。田口というリア恋枠にこのパートを歌わせるという点で欲望の濃縮度がすごい。リア恋枠田口淳之介にこのパート振った人天才。
・「アイシテルヨと笑って」と叫ぶ亀梨和也
「あいしてるよ」と愛情を伝える言葉があえて片言なのは、「愛し合うことをプログラミングされていない」とされるからか、「仮初め」の相手に対してだからだろうか。それとも、もう記憶の片隅で埋もれるほど、その言葉の温度が思い出せないほど、はるか遠くの記憶になってしまったせいだろうか・・・・・・鬱・・・・・・(そしてまだ引きずる)
しかもこのパートが亀梨和也っていうな・・・愛を求める亀梨和也・・・やっぱり前世は加州清光なのでは・・・??かわいくしたら愛してくれるんでしょ?愛されるためになんでもするから、がんばるから、って言う亀梨和也ピンポイントに想像できすぎてどうしたらいいかわからない・・・・・・(次元は軽率に混ぜていくもの)
とりあえず最後までいったので歌詞と歌割の話はここまで。
厨二単語多すぎてほんとうにどうしたらいいの!?!? って感じで最高に軽率に興奮する。 改めて歌詞みてみると本当にすごい曲だRAY・・・ 呆れ返るほど二次元な厨二世界観の似合うKAT- TUNらしい楽曲。
何十回でも言うけど、こんだけ二次元感溢れるKAT- TUNにこの厨二心を絶妙にくすぐる歌詞をくれたFOREST YOUNGさんに心底感謝しかない。ありがとうございました。
演出はコンサートの感想でも触れてるけど、 厨二山盛りのこの曲をあの味付けしてきたKAT- TUNはやはり見せたいものがはっきりしていて、 自己プロデュース力が高すぎるなと思った。
ある意味で唯一の正解がライブという場所で彼らから提示された後なので、わたしの解釈はもしかしたらのifの世界でしかありません。それでもこんな文章を書いているのは、この曲の持つすごさを、彼らとは違う方向から提示してみたかったから。
彼らの表現はドームで一度完成形として提示されているし、それが彼らの出した「答え」ではあるけれど、勝手に解釈して盛り上がってしまったこの熱量をどこかでどうしても発散させたかった。
とにもかくにも、担当外の方にも聞いてほしいので宣伝しておきますどこかで見かけましたらぜひお手にとってどうぞ♡