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 ソフトバンクの孫正義社長が、グーグルから昨年秋に招いたインド出身のニケシュ・アローラ氏(47)を「後継者候補」に指名したことに社内で衝撃が広がっている。「世界をにらんだ」(孫氏)布陣だが、長く務めた日本人幹部が取締役を外れる。社内には新体制を不安視する声もある。

 ソフトバンクは米スプリント買収後、傘下企業の社員の半数が外国人に。中国アリババグループへの投資成功が手伝い、海外の新興ネット企業への投資を加速。そこで孫氏は、海外人脈が豊富で、技術にも明るいアローラ氏に白羽の矢を立てた。「私の肩書の英文表記はプレジデント&CEOだったが、このプレジデントをニケシュに譲る」と孫氏。アローラ氏は6月19日の株主総会後に副社長に就く。孫氏は「事故にでもあわない限り彼が最も重要な後継者候補」と表明。7月にはソフトバンクグループに商号変更する。

 創業間もないころから腹心の宮内謙副社長はヒラ取締役になる。内部から起用された後藤芳光、藤原和彦両氏はたった1年で取締役を退任。ソフトバンクは国内通信子会社4社を統合したソフトバンクモバイル(7月にソフトバンクに商号変更)を設立したが、3氏は主にこの新生ソフトバンクの経営を見る。