1巻までの満足度:★★
魔法少女×パニックホラー
本作品を一言で表すと、魔法少女の概念を毀そうとしてみたに尽きると思う。
平和だった学校生活にとつぜん"魔法少女"があらわれて生徒を皆殺し、果てには人類を虐殺していくパニックホラーになっている。掛け声はピるピピピるるるるピピ~♪……違ったこれは別作品だったね。
なんにせよ普段私たちが想像する、きゃはーんではにゃーんでうぐぅな魔法少女は出てこなく、変わりに↑の画像のような真っ黒いモンスターと言ってもいいマホウショウジョが襲ってくる。
しかし……まあ………面白くない。
ここに出てくる"魔法少女"は魔法少女たる固有性を持っていないので、エイリアンでも妖怪でもゾンビでも代替可能なのが痛い。人類をパニックにできる存在であるならば何でもいいし別にこいつら魔法少女じゃなくてもいいんじゃない?って思いは募る。
さらに「魔法」という現象さえどこか物理的で(ステッキで殴ってくる事もある)現代兵器の延長線上のような力学でさえある。あんまり「Magic」ぽくないのだ。そんな様を見ていると「魔法少女」という要素はどうもでいいんじゃないのかなと思ってしまう。
上述した要素が絡み合い、本作はどことなく「駒(キャラクター)と盤面(世界観)を用意しスタートボタンを押しただけ」の雑な印象を受けてしまう。それが面白くないと感じる理由かもしれない。
繰り返すが『魔法少女・オブ・ジ・エンド』は「魔法少女の概念を壊そうとしてみた」以上のものではなくそれ以外のポイントが無いんだよね、だってこれ魔法少女という要素を抜いたら本当どこにでもある陳腐なホラー作品だもの。
ただ、まだ1巻なのでこれからものっそい化けてくるかもしれない。そんな期待感はちょっとあるけど……でもうーん、という感もあるのでどう転ぶか分からないというのが正直なところ。
それよりも著者繋がりで最新作の『魔法少女サイト』のほうが遥かに面白い!
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家でも学校でもも虐めにあっている朝霧彩は「魔法少女サイト」というwebサイトから"ステッキ"を渡され魔法少女になる所から物語は始まる。受け取ったステッキは魔法とでも呼ぶべき力が備わっており、暴力を振るうクラスメイトや実の兄から…身を守るために使うのだが……?
本作もまた『オブ・ジ・エンド』と同じく「魔法少女」がダークに彩られるがその質がまず違う。面白さが全然違う。1巻の初っ端なからぐいぐいと引っ張っていき「命のリミット」「ステッキ争奪」によって血で血を洗うキュート&ダークな魔法少女を見せつけてくるのだ。
そうだよこういうの待ってたんだよ!!にじみんかわええぇええええっ!!!(ぉ
まだ3巻しか出てないが個人的に今後注目したい漫画だ。まどか☆マギカ好きなら一読あれ。
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――次回予告(今日17時)
「藤丸命について」