建設会社前会長で元国会議員の故・成完鍾(ソン・ワンジョン)氏が、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の側近ら8人に裏金を渡したと書き残したいわゆる「成完鍾メモ」に名前が挙がっている金淇春(キム・ギチュン)前大統領秘書室長が、19日に日本に出国し、翌20日午後に帰国した。
金前室長側の関係者によると、金氏は夫人の病気の治療を目的に夫婦で日本を訪れたという。だが、訪日をめぐり野党からは「(疑惑の追及を)逃れるために出国したのでは」とも指摘されている。最大野党・新政治民主連合の金瑛録(キム・ヨンロク)首席報道官は「わが党は金前室長らの出国禁止を要求したが、検察が出国を手助けした」と批判し、メモに挙げられた8人の出国を禁止しない理由を検察は説明すべきだと主張した。同党の朴智元(パク・チウォン)議員も 20日「こんな状況で相当な地位にある方が出国したとすれば、国民からさらに大きな疑惑を受けることになるだろう」と述べた。
同日午後6時50分ごろ金浦国際空港に到着した金前室長は、出国した理由や検察の捜査に応じるかどうかを尋ねる報道陣の質問に対し、硬い表情で何も答えなかった。金前室長側の関係者は、逃避目的の出国だとの指摘に対し「全く事実ではない」と否定している。
成完鍾氏は今月9日に自殺する直前、京郷新聞と行ったインタビューで「2006年9月、大統領選候補を選ぶハンナラ党(現与党セヌリ党)予備選の候補だった朴槿恵氏のドイツ訪問を前に、朴氏に同行した金淇春氏に10万ドル(現在のレートで約1200万円)を渡した」と語った。