岡田斗司夫がおかしくなってきたのは彼が路線変更して恋愛本とかを出し始めた01年頃だったと前にこの連載でも書いたんですが、これはヤバいとボクが思ったのは04年10月末に『BUBKA』で『岡田斗司夫のロジカルセックス』という連載を始めたときでした。この連載で彼はモテるための技術や実践的なセックステクニックを披露した上で、「女性からのお便りを大募集!」「自分の恋愛やセックスについて、岡田斗司夫に相談したいという女性」と、あからさまに下心丸出しのアピール開始! もはや仕事にかこつけてセフレを探そうとしていたとしか思えないこの連載を改めて読み直すと、非常に興味深い部分があったんですよ。
連載5&6回目で、『BUBKA』編集部に出入りするライターのT氏と、彼が知り合った出会い系サイトの元経営者・S氏をゲストに迎えたときのこと。「僕は人生の時間は有限だと思っているので、人と人とが効率よくコミュニケーションできそうな出会い系サイトには興味があるんですが、どこがいいサイトなのか選ぶ基準みたいなものが分からない」と言う岡田斗司夫に出会い系の詳細を説明していく2人。岡田斗司夫の写真に添えられた「出会い系に興味が出てしまった(?)岡田氏」「岡田氏が、この取材を機に出会い系を始めたりして?」などのキャプションがいまとなっては感慨深いばかりなんですが、このT氏が出会い系のメールのコツとして、こんなことを言ってたわけです。
「三回目くらいのメールに『俺の目的はセフレ探しだ』って書くんです。(略)まあさすがにそこまで直接的には書きませんね(笑)。言い方としては『三人目の彼氏にしてください』って感じで。ドライブとか恋愛とかは、いまいる一番目の彼氏に任せます、プレゼントとか豪華な食事は二番目の彼にしてもらえばいい。でもそれでも不満な部分、たとえばセックスとかは三番目の僕でどう? 後くされないから、どんなことでも楽しめるよって」
......え! 岡田斗司夫の持ちネタであり、定番の口説き文句である「三番目の彼氏」論って単なるパクリだったの?
それと、連載8回目でそれまでの連載を振り返ったときには、「出会い系サイトの元管理人さんの昔の話を聞いた時もそうだ。何人も同時に付き合っていたので、そのデータをエクセルで表にして管理していたという。ここまで来ると、もうほとんど仕事だ」という発言もあったけど、このやり方も岡田斗司夫がパクって愛人をリスト管理していたってこと?
一瞬そう思ったけど、今回の騒動でツイッターで晒された岡田斗司夫の出会い系サイトのメッセージが04年11月14日付けだったことからもわかるように、05年2月末発売の『BUBKA』にこの記事が載った時点で、彼はすでに出会い系マニアだったわけで。つまりこれは、当時はそこまで下半身事情をオープンに出来なかった彼が、ライターT氏なり元経営者なりの発言という設定で自分語りをしていただけだったんじゃないか、と。
そんなことを踏まえた上で連載初回のこの発言を読むと、なんだかしみじみとしてくるわけです。全部、自分のことじゃん!
「以前、僕が目撃した例では、テレクラや援助交際の評論で有名になった宮台真司は、一日に二十人ぐらいの女のコから携帯に電話がかかってきてた。でもその内容は全部『いまから手首を切るので会いに来て欲しい』みたいなものだったりした。モテたいと思っている君! 実はモテるって、こういうことなんだよ」
この連載、読者のニーズ皆無だったためわずか1年で終わったけれど、女性問題が騒がれているいまこそ新書にでもするべきだし、そのときはボクが帯文を書きますよ! いまちょうどお金に困ってるみたいだから、いい話だと思うんだけどなー。
Written by 吉田豪
Photo by 東大オタク学講座
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