1993年の時点ですでに問題になっていたセックスレス——vol.3
今回は、藤野英人さんが投資家として、コンドームの会社を訪問したときに聞いた話から始まります。コンドーム会社の社長が危惧していたのは、日本人のセックスレス。セックス以外に楽しみがたくさん出てきた現代では、女性との付き合いを必要としない男性も増えている? それがひいては、日本経済の停滞につながって――。恋愛・結婚の問題を、投資・経営の側面から解きほぐしていきます。
セックスは代替可能な娯楽だった
藤野英人(以下、藤野) 1993年に、不二ラテックスというコンドームを製造している会社を訪問したんですよ。当時は、コンドームがコンビニで流通するようになって、株価がどーんと上がった時期だったんですね。そのとき不二ラテックスの社長が、「セックスっていうのは代替可能なもので、今うちの会社の最大の壁はセックスレスなんだ」とおっしゃってたんです。
川崎貴子(以下、川崎) セックスは代替可能、なんですか。
藤野 性欲って、食欲と睡眠欲に並ぶ三大欲求だと言われていますよね。でも、食事と睡眠は健康を維持するために欠かせませんが、セックスしなくても人間は死なないんですよ。
川崎 たしかに。子孫を残すためには必要ですが、日常生活ではなくても支障がないものですね。
藤野 1990年まで放送されてたちょっとエッチな「11PM」という番組があるんですけど、昔のお父さん・お母さんって、夜は特にやることがないから「11PM」でも観て、気分を盛り上げて(笑)一緒に寝てたんです。でも、だんだん飲食店などの店舗が深夜営業するようになり、お父さんの帰りが遅くて、お母さんが先に寝るということも多くなっていった。一緒に寝る時間が減れば減るほど、セックスの回数は減る。そして、コンドームの消費量も減ります。それを、不二ラテックスの社長は危惧していたんです。
川崎 1993年の時点で。恐るべし先見の明!
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著者プロフィール
1997年に女性に特化した人材コンサルティング会社、株式会社ジョヤンテを設立。経営者歴18年。女性の裏と表を知り尽くし、人生相談にのりフォローしてきた女性は1万人以上。プライベートではベンチャー経営者と結婚するも離婚、そして8歳年下のダンサーと2008年に再婚を経験、「女のプロ」の異名を取る。9歳と2歳の娘を持つワーキングマザーでもある。
ブログ:酒と泪と女と女
Twitter:@takako_kawasaki
レオス・キャピタルワークス取締役・最高投資責任者(CIO)
1966年、富山県生まれ。1990年、早稲田大学卒業後、国内外の運用会社で活躍。特に中小型株および成長株の運用経験が長く、22年で延べ5000社、5500人以上の社長に取材し、抜群の成績をあげる。2003年に独立し、現会社を創業。現在は、販売会社を通さずに投資信託(ファンド)を直接販売する直販ファンドの「ひふみ投信」を運用し、ファンドマネージャーとして高パフォーマンスをあげ続けている。この「ひふみ投信」はR&Iが選定するファンド大賞2012の「最優秀ファンド賞」を受賞した。著書に『日経平均を捨てて、この日本株を買いなさい。』(ダイヤモンド社)ほか。
ひふみ投信:http://www.rheos.jp/
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