地震前の「動物の異常行動」が遂に解明! 地震を予知する“超高感度”生物もわかった!
先日の「【緊急考察】大地震の前兆か!? 続出する動物の異常行動」で、異常な行動をとる動物たちの現状をお伝えしたが、昔からナマズやネズミなどが不穏な動きを見せるのは地震が起る兆候だという話がまことしやかに伝えられている。これはある種の動物だけが持つ神秘的な予知能力なのか? あるいは人間には感知できない自然環境の変異に対する反応なのか? ――地震前に見せる動物たちの行動に今回、世界で初めて科学者のメスが入った。
■地震の8日前にネズミの姿が消えた!
「ヤナチャガ・チェミレン国立公園」 画像は「Wikipedia」より
英アングリア・ラスキン大学のレイチェル・グラント博士、SETIのフリードマン・フロインド教授、ブラジルの地震研究機関(CRAAM)のジャン・ピエール・ロウリン教授らの研究チームが先頃「Physics and Chemistry of the Earth」に発表した論文は、大地震の前に起った動物たちの行動の変化を解説している。
分析の対象となったのは、南米・ペルーの「ヤナチャガ・チェミレン国立公園」の各所に設置された動体検知カメラ(motion-triggered camera)が2011年に記録した貴重な映像の数々である。
2011年の8月24日にペルーのコンタマナでマグニチュード7.0の大きな地震が起っており、その地震の前にこのチェミレン国立公園の動物(鳥類を含む)たちが普段とは違う行動をとっていたことが、これらの映像を分析することにより判明したのだ。
動物たちの動きに最大の変化が見られたのが、地震の日から23日前の8月1日だったという。この日は自然公園内の動物たちの慌しく移動する姿がそれぞれのカメラに5件から15件ほど記録されたということだ。
次に動物たちが活発に動く姿が確認されたのは地震の8日前の8月16日で、なんとこの日を境に地震後もしばらくは山ネズミなどのげっ歯動物は付近から完全に姿を消してしまったという。この2つの“大移動日”の間(8月2日から15日)は、不思議なことにそれほど動物たちの移動は活発ではなく、この期間中に各カメラが捉えた動物の姿は5件以下程度であったということだ。
そして驚くべきは、地震の直前の1週間の間はカメラに検知される動物の姿は激減し、7日間のうち5日間はどのカメラにもまったく動物の姿が収められていなかったという。これはいったい何を意味しているのか……。
■“大移動”の引き金は「セロトニン症候群」だった!?
動体検知カメラで収められた映像 画像は「YouTube」より
これらの動物たちの映像を分析する一方で、研究チームは震源地の周囲で記録されたVLF(超低周波)電波データも解析し、動物たちの行動と関連づける試みを行なった。
当時のVLF電波のデータを調べていくうちに、地震の2週間前から空中のイオンと自由電子(free electrons)の増加が認められ電波に影響を及ぼしていたことから、現地上空のイオン圏に乱れが生じていたことが突き止められたのだ。イオン層に特に大きな乱れが生じていたのが地震の8日前の8月16日で、これは動物たちの2番目の“大移動日”と重なるのだ。
地球を覆う成層圏の上部にあるイオン層の乱れはそもそもどうして起るのか? それは地震の前に起る地殻変動で地表から大量に放出される陽イオン(positive ions)に起因すると考えられている。そして大気中に増えた陽イオンは人間を含め動物たちに多大なストレスを与えて異常な行動へと駆り立てるということだ。
その典型が「セロトニン症候群(serotonin syndrome)」と呼ばれるもので、陽イオンの影響で血中で増加したセロトニンにより、落ち着きを失う、興奮する、じっとしていられない、思考と行動が混乱するなどの症状が現れるということだ。そしてこの症状が、動物たちの“大移動”の説明になると研究チームは解釈している。また、起伏に富む国立公園内の標高900m付近に設置されていた動体検知カメラから動物たちの姿が消えたのは、動物たちが陽イオンの濃度が薄い低地へ移動したためであるということだ。地震前の動物たちの異常な行動は決して神秘的な“予知能力”ではなかったということが、今回の研究から導き出されるかたちとなった。
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