自分でいうのもなんですが、打たれ弱いことにかけては自信があります。

身体はデカイのですが、ストレスにはめっちゃ弱いです。

ストレスにさらされるとすぐに凹むし、体調は悪くなるし、連続したストレス環境ではパニックになって ｳﾜｧｧｧｧｧｧヽ(`Д´)ﾉｧｧｧｧｧｧﾝ! ってなります。

そこで多少は助けになるかも...と思い手に取ったのがこの「ストレス、パニックを消す！最強の呼吸法 システマ・ブリージング」です。タイトルはちょっと胡散臭い感じがしますけどね。 

それにしても、「システマ・ブリージング」ってなんぞや？って思いませんか。初めて知った方も多いのではないでしょうか。僕も本書を読むまで聞いたことすらありませんでした。本書では次のように紹介されています。

「最強の呼吸法」は旧ソ連軍で生み出された訓練法「システマ」の核となる技術です。システマはほんの十数年前まで国家機密でしたが、ソ連崩壊とともに世界に公開され、格闘技としてはもちろん心身の健康法としても高い効果を持つことから、急速な勢いで各国に広まっています。銃弾が飛び交い、爆弾が炸裂する極限状況下で活用されてきたメソッドなのですから、その威力たるや推して知るべしと言えるでしょう。

元は旧ソ連軍で生み出された武術だったんですね。

武術といっても、人殺しの道具ではなく、その高い効果と明確な理論、そして平和的な哲学が高く評価されて、2007年に開催された国連の平和式典では「最も人間的な武道である」と評されたと言います。

システマのあるインストラクターは、創始者の技を「殺しに来た相手すら癒す」と評したそうですが、そうやって対立関係を消滅させてしまうのがシステマの理想とする戦い方なのだそうです。

そのシステマの技術の核となるのが本書で紹介されている「ブリージング」と呼ばれる呼吸法です。

そのキモは「恐怖心」をコントロールする点にあります。

システマでは、恐怖心こそがストレス、緊張、怒り、自己憐憫などのあらゆるネガティブな感情の源だと定義しています。

したがって、日常生活における不安やストレス、不調などの根本にある恐怖心を「ブリージング」によって取り除くことで、肉体、思考、精神の全てを恐怖心から解放し、自由で快適で強い心と体を養うための方法を身につけようというのが本書の主旨です。

ブリージングの方法については、単純に呼吸法だけのものから身体の動きを伴うものまでさまざまな方法がわかりやすく解説されていますが、本当に基本中の基本となる部分はとても簡単です。

それは「鼻から息を吸い、軽くすぼめた口から息を吐く」というものです。これを腹式呼吸とか細かな呼吸方法は気にせずに行うだけです。

この基本的な呼吸法の重要性については、次のように書かれてもいます。

大切なのは呼吸によって余計な緊張をリラックスさせ、ニュートラルな自分を取り戻すことです。全てのドリルはこうした考えに基づいて設計されています。それ以外のテクニック的なことは全て枝葉にすぎません。

基本的なブリージングそのものは、ほんの少しの練習で誰にでもすぐにできます。

そして実際に自分でやってみると、確かに緊張していた気持ちが落ち着きました。

息が詰まるという言葉がありますが、まさにストレスで息が詰まっている状態が、基本のブリージングによって改善されて、リラックスしていく感覚が「ど素人」の僕にも実感できるのです。

あとは、これをどれだけ自分のものとして身につけることができるかがポイントなのだと思います。

ストレスを感じた時に、いつでもブリージングを行うことができるようになることで、初めてこの呼吸法を実生活に取り入れることができます

だってストレスを感じるたびに、いちいち本を見なければブリージングができないようでは役に立ちませんからね。

そして、本書で紹介されているさまざまなブリージングの方法について、そのまま暗記するのではなく、細かなやり方にとらわれずに自らが快適になることを最優先にして自分なりのブリージングを組み立てることも推奨されています。

紹介されているブリージングには、スッキリ目覚めるブリージングや疲れを癒すブリージング、「あがり」を解消するブリージングなどいろんなシーンで活用できるものもありますので、ストレスやパニックの解消だけではなく、呼吸法で日常生活を快適に過ごせるようになりたいと思う人におすすめの一冊です。 

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