「エンジニアの言葉を通訳する人間が必要」
前の会社でよく言われていた言葉であり、「通訳」が必要なくらいエンジニアとビジネス側には隔たりがあるのだ。
私はマーケティングやファイナンスの人間だ。何をやっていくら儲けるかを考えるのが仕事。なので、無駄なコストをカットして、注力すべきところに投資したり上手にヘッジすることがミッションだ。
だが、その仕事の中でやっかいな存在にあたるがエンジニアだ。
彼らは何をしているのかよくわからない。外注のデザイナーやコーダーは何を作っているのかがよくわかるけど、正社員メンバーの、システム基盤?だのアルゴリズム?だのやっている人たちについてはまったくパフォーマンスがわからない。
部署横断のミーティングなんかやると温度差に驚く。
営業「営業の仕組みを変え、売上をキープしつつコストをダウンしました」
マーケ「広告のターゲットを絞り、ロイヤルカスタマーに注力する」
プロマネ「計画通りの進捗ですが懸念点が3つあります」
デザイナ「最近流行りのデザインを取り入れます。実際にご覧ください」
エンジニアの成果報告書には様々な最新技術の「ロゴ」がびっしりと並ぶ。いったいこれが何で、どんなビジネスインパクトがあるのかまるでわからない。このゾウがビッグデータなのかぁ、ふむふむ。でもよくわからない。
質問すると「やれやれ…」みたいな顔をしながら意味不明な言葉の羅列。「DevOpsじゃないんですよ、CentOSの場合、だからホントNode.jsやばくて、て、ていうかOSIモデルくらいはわかってます、よ、ね?チラ」
しびれを切らした営業部長が「結局、Webサイトが高速化するってことですか?」と聞くが「そもそも何を持って高速化と言うのでしょうか、実際、Webサイトの裏側ではいろんなプログラムが動いていて〜」みたいな話が始まり僕らは会話を断念する。
我々はエンジニアとのコミュニケーションに困り果てている。けどエンジニア様がいなければビジネスができないので何も言えない。レッドブルもアーロンチェアも与えた。今期は昨年の倍のエンジニアを採用するらしい。わけがわからん。
そして、「エンジニアの言葉を通訳する人間が必要」という結論に至る。
エンジニアが必要で、エンジニアがスゴイのはわかるんだ、でも、もう少しわかりやすくしてくれないと僕たちは理解できないんだバカだから。
とあるスタートアップを抜け、CTOを辞めた話。 - nobkzのブログ
というブログを読んだ。日本のVCはテクノロジーを理解してくれないと彼は言う。
でも、私は逆の意見だ。私達はエンジニアに賭けたくてしょうがないんだ。でもエンジニアの言ってることがまったくわからないから投資予算もリターンの見積もりもできないんだ。
せめて1人通訳をつけてくれないか。
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