共同創業者の探し方
スタートアップといえば、共同創業者がいることが多いです。
共同創業者は何かというと、一緒に会社を起こしてくれる人です。で、どんなにイケている社長でも、1人ではできることは限られるわけで、やはりいいチームにしていく必要がある、というのはスタートアップ業界ではよく言われることです。
創業時に社長が立ち上げて、だんだんとメンバーを集めていく、というケースも普通ですが、最初1人なのと、最初から2人なのでは、やはり2人でやりはじめたほうがはるかに創業者の負担は少ないと思います。
そして、決まりはないですが、共同創業者は、取締役になるケースが多いと思います。執行役員だったり、一メンバーだったりするケースも珍しくはないですが、それはどちらかというと、「創業者が、だんだんと人を集めている」ケースに近いので、共同創業とは呼ばないのが一般的かもです。
となると、「じゃあ共同創業者ってどうやって見つければいいの?」というところが問題になります。
そもそも、共同創業者に求められるものは何でしょうか?スタートアップをはじめるときに、勘違いしがちなのが
- これからやる業務にマッチした人と共同創業しちゃう
というケースです。つまりは、「僕らはコミュニティアプリを作るから、コミュニティアプリを作った経験者を共同創業者にしよう!」と考えちゃうことです。
スタートアップでやる事業は、確率論でいうと、だいたいが失敗します。ただ、最初の事業が失敗したからといって、会社自体がダメになるわけではありません。Twitterだって、その前はOdeoというPodcastingのサービスをやってたわけで、何がおこるかわかりません。つまりは、特定の業務に特化した人を共同創業者にしてしまうと、のちのち困ったことがおきたりします。
共同創業者は一度決めてしまうと、取替はしづらい人です。生の株を持っていたりしたら、より制限が強い。
というので、長くなりましたが、「共同創業者ってどう見つければいいの?」というところに対して、僕が考えたものを紹介します。
共同創業者に求めたほうがいいもの
まず、共同創業者には何を求めたらいいでしょうか?
個人的には、
- 経営者としての自覚がある
- 事業ではなくて会社を作っていく覚悟がある
- 常に学習して新しい分野へ挑戦できる
などがあげられるかなと。
たとえば、営業やプロデューサー的なCEOがいたとして、共同創業者はCTOの場合、ありがちな失敗は、「CTOが優秀なエンジニアだけど会社経営者になれない」であるというパターンです。
CTOは、テクノロジーのトップとして、エンジニア集団を創り、エンジニアが働きやすい環境を作り、エンジニアの観点から会社を経営し、エンジニアとしてのキャリアをメンバーがつめるようにしたり、とコードをかく以外の膨大な「経営の仕事」があるのですね。
にも関わらず、「俺はいいコードが書きたい」というエンジニア視点しか持たなかったりすると、CTOとしての責任を果たしていないということになりがちです。
優秀なエンジニアであっても、会社経営の視点にあがらないと、難しくなってしまうかもしれません。
また、会社を経営する人なので、時代の変化についていっていく責任があります。エンジニアとして新しい技術を学ぶというのもありますし、人材のマネジメントについて学んだり、株や資金調達の話や、会計について学んだりする必要もあるかもしれません。
まとめると、これらのことを、経営者として、自分の仕事と認識でいれる人が、共同創業者に向いているのではないかなと。
どうやって見つけるの?
では、共同創業者はどのように見つけたほうがいいのでしょうか?
それは「優秀な友達を共同創業者にする」ことだと思います。今できるスキルではなくて、優秀だと思う仲の良い友達を誘って、一緒にやるというのが一番ではないかと。友達になれそうもない人を誘うのは、だいたいにおいて、きつい思いをすると思います。なぜなら、一緒に経営をしていくわけなので、信頼関係も大事ですし、共有している文脈の多さも重要ですし、かといって親しきあいだに礼儀がなくてもダメという、結構難しい人間関係なのですよね。
ただ、優秀かどうかというのは重要です。どうやってそれを見極めるのか難しいのですが、おすすめは、遊びのプロジェクトを何回かやってみることだと思います。
- サラリーマンをしながら、副業を一緒にしてみる
- ビジネスではない、おもしろいプロジェクトを一緒にやる
などで試すと、一緒にやってもいい友達かどうか(優秀かどうか)がわかっていいのではないでしょうか。
複数人はおすすめしない
仲の良い友達とやろう!となると、結構ありがちなのが
- 中心となる社長/CEO
- CEOの仲のいい友達
- あまり仲良くないけど技術ができるCTO
みたいなメンバーで創業しちゃうことです。これは、難易度がぐっとあがります。
というのも、最初にサービスを作っているときは、CEOとCTOだけでよいケースが多いんですよね。そのあいだ、仲の良い友達は何をするのか?というのが結構問題になります。
何もしないというのは非常に居心地が悪いので、変に無駄な行動をしちゃったりします。C to Cサービスで、さらにリリースもしていないのに広告営業をはじめちゃったりとか。
CEOも仲が良いから、その人のための仕事を探して作っちゃったりするのですね。スタートアップはもちろん、そんな余裕はないはずなのに、共同創業にしちゃったもんだから、やる必要がでる、みたいな状況になりがちです。
経験値が高い起業家ならうまくいくかもしれませんが、そうではない、はじめての起業の時は、2人からはじめるのが一番バランスよい気はします。
というわけで
共同創業者は、経営の意思決定の中で一番はじめにくる、重要なものです。非常に注意深く決めるのがいいと思います!
参考
ここまで書いて、いい資料ないかなと調べたら、以下のスライドは非常によくまとまっていました。というか、このエントリよりもはるかにデータにもとづいてて素晴らしかったです。(´;ω;`)
スタートアップ共同創業者の見つけ方、付き合い方、別れ方 http://www.slideshare.net/takaumada/how-to-find-your-best-cofounder