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エンジニアのための経営学

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ござ先輩による、エンジニアは技術だけ身につけたらもったいなくない?っていう問題提起の資料です。

ござ先輩による、エンジニアは技術だけ身につけたらもったいなくない?っていう問題提起の資料です。

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  • 1. エンジニアのための経営学 FKCorporation,Inc.   @gothesitance
  • 2. なぜ、エンジニアが経営に  関心をもつべきなのか
  • 3. コードで自分の居場所を作る ことに役立つからです。
  • 4. 経営の基礎知識を学んでおく 自分が作ったプログラムの価値を  考えることにつながる 自社の売上に貢献できる あなたの存在意義が高まる コードで自分の居場所が出来る
  • 5. そうはいっても、小難しいのはイヤですよね。 会社の活動は全て数値化することが可能です。   全て数値化しているから決算書を作ることが出来ます。   粒度の大小はあるけどね。 そのため、会社という組織を知るには、数字の話を するのが最短ルートです。 大丈夫、とても簡単。3つの変数しかありません。 No  Big  Deal,  Just  Three  Variables.
  • 6. •  売上 •  コスト •  利益 最低限抑えるのはこの3つと、下記の方程式だけ。 利益 売上 コスト
  • 7. この資料で絶対覚えてほしい こと、次頁にあります。
  • 8. 全ての企業活動はコストです テストに出ます。絶対に覚えて下さい。
  • 9. プログラム を書く 打ち合わせ をする 客先へ行き   営業をする 問い合わせ 対応 出社する 皆さんはいろんな事を仕事をするために行っています。 でも、たった1つだけ共通点があります。
  • 10. いいから、絶対に覚えておいて下さい。 会社に所属する人は誰しも、 そこで行う全ての活動は原則 コストであるということです。
  • 11. プログラムを書くのも、     打ち合わせをするのも、     メールの返信を打つのも、     客先に向かうのも、     更には出社そのものも     お金が出て行く一方です。     それ自体は1円も産んでいません。     この「コスト感覚」を絶対に身につけて下さい。  
  • 12. では、かけたコストは、何を 生み出す為に使われるのか。
  • 13. 利 益
  • 14. 経営をする目的をザックリと 言えば、利益の最大化です。
  • 15. Less  is  More. かけたコストをなるべく少なく(Less)して、得られる最大 の利益を得る(More)というイメージを持って下さい。
  • 16. さて、どちらの会社が優れた 経営を行っているでしょう?
  • 17. A社 B社 売上 1,000 500 コスト 800 300 利益 200 200 単位は100万でええわ 最終的に得られた利益は同じ「200」です。
  • 18. B
  • 19. B社のほうがイケてる理由 A社は売上額こそB社の倍もあって一見良さそうです。 でも、売上に比例してコストが多いのがイケてない。     B社はA社の半分の売上ですが、利益率はA社の倍です。 500万も少ないコストで同じ利益をあげています。     必要なコストは少なければ少ないほど資金繰りは安定 しますので、B社のほうが良い経営を行っています。     A社の売上が800万に落ちたと想定すると、利益額は 恐らく50万弱になります。体感ですけど。
  • 20. この話は会社だけではなく、 あなた個人にも大きく関係が あります。
  • 21. かけた時間と手間に見合ったリターンがあるか?     それはどこでどういう形で生み出されているのか?     考えてみてほしいと思います。     でも、まずは、コスト感覚を持って下さい。     自分以外の他人の活動もコストなんだっていう認識が 希薄だと、良い結果を産みません。     かけたコストに見合った利益がないと不幸になります。     必ず誰かにしわ寄せしなければならなくなるからです。  
  • 22. 利益が大切なのはわかった!   いくら稼げばええんや!!     ナンボ必要なのかわからんと 手のうちようがないやろ! 弊社社長様のお言葉より引用しました
  • 23. それな。
  • 24. 損益分岐点ってのがあるから、 それをベースに考えようよ。
  • 25. 損益分岐点の前に、理解して ほしいことがあります。     コストの分類方法です。     この2つしかないんで、是非。
  • 26. 固定費 変動費と 両者の違いは、会社が営業しなくても発生するか   どうかだけです。簡単にいえばそれだけです。     家賃や給料やリース料は、会社が休みでも発生します。   なので、これらは固定費です。     商品の仕入、送料や振込手数料。これらは会社の営業 と共に生み出されます。なので、これらは変動費です。     コストは固定費と変動費に分けることが出来ます。
  • 27. 損益分岐点は下記の式で求め ることが出来ます。 損益分岐点 = 固定費 変動費  売上高 1 - 見ての通り、固定費をカバーするためになるべく  変動費を削って売上を増やそうねってことです。  
  • 28. 第一部   -­‐完-­‐
  • 29. 第二部
  • 30. ここまでは、会社の評価軸の話をしてきました。     会社の数字をどう使って現状を把握したらいいか。     みたいな話でした。     でも、これはあくまで結果論だってのもまた正しくて。     数字はプロセスの結果論でしかないですからね。     では、次はプロセスの話をしたいと思います。     経営をするプロセスを僕の拙い経験からお話をします。
  • 31. 経営者の仕事とは何か?
  • 32. 一見、経営者っぽい事が並んでいます。     でも、上記は誰かに移譲することが可能です。     なので、経営者の仕事は言い難いのです。 営業をして 仕事を取る 仕事のやり 方を教える 資金繰りを 考える 採用活動を 行う 人に仕事を 振り当てる
  • 33. 新しい事業を生み出すこと 経営者の仕事って、コレに尽きると思っています。
  • 34. 新しい事業と言っても、そこ には規模の違いや粒度の違い があります。     でも、それは問題じゃない。
  • 35. もっと、ライトに考えてみる。 常連のお客様に、新しい商材を提案して買ってもらう。     弊社だとエプロンを売ってます。キッチンつながりで、 ピーラーを売ったとします。これも新事業なんですね。     市場も顧客も、今までも何も変わっておりません。     でも、     新しい何かを初めて今までにない売上を得られたら、     それは立派な新事業なんです。  
  • 36. 事業というのは、いつかは衰退してしまいます。     時代が変わるからです。     僕らが伺い知ることが出来ない、力によって。     技術の世界では、時代と共に最適解が変化します。     陳腐化した武器では戦えませんよね。     だから、変えなければならない。     唯一生き残るのは、変化に対応できる種なのですから。
  • 37. 弊社のBefore  /  Afterの話 足掛け2年間頑張りました。
  • 38. Before 仕入構成 A社 B社 C社 A社に大きく依存しており、A社から商品が買えなく なったり、A社の商材が売れなくなったらヤヴァい。  
  • 39. Before 多くの商品をA社に相乗りOEMで作ってもらってた。   その他以外の商材の9割はA社OEMでございました。   商品構成 ルームウエア エプロン・割烹 着 バッグ その他
  • 40. メイン商材は中国で生産してました。     が、中国経済がインフレで生産コストが上がりました。     でも、日本はデフレで販売価格が低下していました。     コストは上がるのに価格に転嫁できないという、卸業  ならではの悲哀がありました。商慣習の問題です。     A社の体力もどんどん落ちています。利益が取れないから。     商品構成を変えていく努力が求められていました。   Beforeの補足
  • 41. 布モノは(もう)アカン   生活雑貨に(切り替えていく)
  • 42. A社と心中することは避けたい。座して死を待つ馬鹿野郎。     でも、A社における売上比率を一気に削減することも   できない。ランニングコストが捻出できなくなるから。     選択の余地はないんで、この2つを同時にやるしかない。     -­‐  A社の売上比率を下げていくこと   -­‐  少しでもA社の商材で利益を取ること     売上比率を下げるためには違う商品を売るしか無い。     それも、ウチの顧客に刺さるジャンルの商品を。     というわけで、いろんな雑貨を取り扱うようになった。  
  • 43. 開始1ヶ月で崩壊
  • 44. 仕入先が増えれば増えるほど、事務コストが嵩みます。     注文をもらっても、商品を調達して納めるまでの流れが、 全く出来ていなかった。     10社から注文とれたけど、どうやってマージして仕入先 に発注するのそれ。誰がやるの、それ。     発注した商品、どうやって顧客ごとに分けるのそれ。     この管理のことを「全く」考えておらず、倉庫がパニック 状態になりました。     コストとリターンで考えれば、大赤字です。  
  • 45. よろしい。     その為にシステムを組もう じゃないか。     やっとワイの出番や!
  • 46. 2ヶ月かかりました。 2012年秋頃です。この頃から会社の経営に関わっていきます。   なお、2ヶ月間は2日で作った簡易集計ツールで頑張ってもらいました。  
  • 47. 組んだ結果wwwwww
  • 48. 仕入先が3社から100社になりました。     仕入先が増えても商品調達にかかるコストは変わらないし、 取扱いメーカーが増えると売上も上がるので、イケイケの 社長に任せたらこうなった。     注文をもらってから仕入れますから、在庫として残ること がありません。     利益率はメイン商材より落ちますが、ノーリスクで売上 を上げる手段が出来たことが最大の功績でした。     雑貨メーカーから気持ち悪がられました。売りすぎて。   After  
  • 49. 同時に手を付けたのは、A社の商材を減らすことです。     完全に旬が過ぎた商品をOEM生産する意味は全く無い。     でもある程度の利益が必要だし、いきなり減らせない。     数量を減らして同等の利益が得たい。どうしようか。     単価をあげさせて頂きました。     営業努力もあって半分の枚数で同等の利益を出せました。     その後も可能な限り取扱額を減らしていきました。   新事業への転換を頑張った
  • 50. で、2015年。     A社が生産縮小によりま して、OEMできなくなり ました。 良かった…仕入先構成変えておいて….  
  • 51. 変えなければ、死んでいた。 だって売るものがないんだもん。死ぬしか無いよね。  
  • 52. 他にも色々あったのですが、 この転換ほどのインパクト はありませんでした。
  • 53. この話ってさ…     エンジニアに関係があるの?
  • 54. あんまりないです。     でも、ここからが本番です。     僕は経営判断をしていく中で、コー ドを書く作業に似ている箇所がたく さんあったので、その話をするから です。
  • 55. エンジニアが通常行っている 経営判断に近しい仕事。
  • 56. 仕様の策定です。
  • 57. ユーザーの言ってることを聞く ユーザーの言わんとすることを汲み取る ユーザーのお困り事を理解する その課題の解決策を考える 最もROIの高い解決策を提示する これが仕様の策定フロー
  • 58. 経営陣の言ってることを聞く 経営陣の言わんとすることを汲み取る 会社が抱えるお困り事を理解する その課題の解決策を考える 最もROIの高い解決策を提示する これが経営戦略の策定フロー
  • 59. 何を解決したら良いのか どうすればそれが解決できるのか WHAT HOW 仕様策定と経営戦略の共通点 エンジニアは機能の実装に哲学と経営判断を下している、 というのが僕の考えです。     限られたリソースの中で最適解を探していくこと。   日常的にやっていることじゃないでしょうか。  
  • 60. 課金体系を 再考する キャンペー ンを張る 広告を打つ コンテンツ を増やす 新しい機能 を実装する サービスを成長させるために 上記の対策を打つのと経営判断はとても似ています。
  • 61. コードは必然の積み重ねです。     経営もコードを書くのと同じ。 必然の積み重ねです。
  • 62. コードはあなたが思ったようには動きません。     書いたとおりに動きます。意図した結果を常に返します。     必ずそうなりますよね。他になりようが有りません。     経営も同じです。     社長が思うようには動きません。     あなた方が動いた通りの結果を返します。     必ずそうなります。     ビジネス設計もコード設計も、この点では同質です。    
  • 63. 先ほどの弊社の例を出します。     A社の仕入を減らすためには、どうしたらいいのか。     顧客数が増えても、A社の商材を買う人が増えては解決に はなりません。     答えは1つ。売るものを変えるしかありません。     A社を減らす以上は別の会社の商材を担ぐしかありません。     このように「∼しかない」と判断を繋げていくこと。     それしかないのだから、結果もそうなるしかありません。     機能の実装も同じことのように思えて仕方がないです。    
  • 64. 利益をどこに見出すかを考え るには、下記の4つの変数を 考慮する必要があります。
  • 65. 売上を増やす4つの施策 顧客数を増やす。 商品数を増やす。 購入回数を増やす。 単価を上げる。 この4つしかないです。  
  • 66. 顧客数を増やす。 商品数を増やす。 購入回数を増やす。 単価を上げる。 新規ユーザーを獲得する。   購買できる商品数を増やす。   リピーターを増やす。   高額な商品を扱う  or  セット売り等を行う。   ネットショップで考えると
  • 67. そんなに難しくないでしょ?
  • 68. サービスの成長を考えながら、 あるべき姿を考えるって楽し くないですか?     ワクワクしませんか?
  • 69. その為の施策を考えて自分で 実行できたら、絶対に面白い と思うんですよ。     エンジニアには、既にHowが あるんです。必要なのはWhat を考えるフレームワークだけ。
  • 70. だから、技術だけを勉強する のはすごくもったいないです。
  • 71. 決して難しいことじゃない。     プログラムを書く技術をみに つけるほうが、よっぽど大変 ですよ。
  • 72. 自分の書いたコードで自分の 居場所が出来れば、これほど 気持ちいいコトはない。     僕はそう思います。
  • 73. というわけで、まとめです。
  • 74. ü  会社は利益がないと存続できません。   ü  全ての企業活動はコストです。   ü  経営をする目的は利益を最大化させることです。   ü  はじめの1歩はコスト意識の醸成です。   ü  かけたコストに見合うリターンは何なのかを、つねに 考えて下さい。   ü  エンジニアは幸運にもHowを手に入れています。あと はWhatを考える術を知るだけで、コードでまわりを  変えていく事が出来るはずです。   ü  コードで周りを変えて、居場所を作って下さい。
  • 75. Keep  Looking,  Don’t  Settle.