給食費用不足相次ぐ 値上げに踏み切るところも 

02/19 19:42
今、子どもたちの給食にある異変が起こっている。
東京・武蔵野市井之頭小学校で、いつものようにきょうも始まった給食。
子どもたちは笑顔。
しかし、武蔵野市給食・食育振興財団の高木完治栄養士は「非常に厳しい状況だと思っています」と話した。
毎日の給食のメニューを考えている栄養士の高木さんは、困り顔。
困っているのは、給食にかかる費用不足。
東京・武蔵野市では、小学校の給食費は現在、月額4,150〜4,450円。
1食あたり、240〜260円。
もう5年前から変わっていない。
19日のメニューは、タコライスともやし炒め。
このもやし炒めも、節約を意識して作られていた。
高木栄養士は「もう少し本当はコマツナをたくさん入れて、青物・葉物を入れたいところなんですが(コマツナは半分)、予算の関係で(安価な)モヤシやキャベツを少し増やして、献立を立てている」と話した。
さらにデザートのミカンも、1人1個は出せず、半分に。
子どもたちは、「ミカンとかは、もう半分。丸々を半分」、「ミカンいっぱい食べたい」と話した。
そのわけについて、高木栄養士は「材料ですね。特にバターとか、それから豚肉。肉類は特に(値段が)上がっていると思います」と話した。
5年前と比べてみると、野菜などの値段は、1〜2割近く高くなっていた。
それでも、給食自体の質全体の栄養を落とすわけにはいかない。
武蔵野市では、2015年4月から、小学校で月額350円の値上げを決めた。
埼玉・川越市では、2014年度の給食費が足りなくなり、苦肉の策で逃げ切った。
食材価格の上昇などから給食費が不足。
そのため、緊急措置として、授業時間を短くし、給食を出す日数を2日減らした。
それにより、川越市全体で、給食費を1,400万円節約することができたという。
しかし、2015年の4月から、給食費を月350円引き上げることにした。
値上げすると、給食の内容はどう変わるのか。
2014年の9月、ひと足早く16年ぶりに給食費を値上げした東京・町田市の小学校。
町田市立南第四小・栄養士の草柳典子さんは、「今まで、1品ずつおかずを提供できなかったのが、お魚やお肉など子どもたち1人ひとりに、1切れずつ出せるようになりました」と話した。
19日のメーンのおかずは、サケの照り焼き。
このサイズで、1人1切れ出されていた。
さらに、デザートにも変化があった。
子どもたちが値上げして喜んだのは、今まで1個だったイチゴが3個になったこと。
相次ぐ給食費の値上げ。
中学校では、給食費が月5,000円を超えているところもあり、保護者への負担も徐々に大きくなっている。

みんなの意見を見る

公式Facebook 番組からのメッセージ

FNN
FNNスピーク
スーパーニュース
ニュースJAPAN