[PR]

 町会など地域活動に参加しないと退去――。そんな風変わりな条件の学生向けマンションが、家賃の安さもあって人気だ。立地は東京都心の千代田区・神田。悩める大都会の街おこしが、充実した実生活「リア充」を求める若者たちを引き寄せる。

 節分の3日、複合施設「ワテラス」(千代田区神田淡路町2丁目)であった「飾り巻きずし」の料理教室に、やや場違いな男子大学生2人がいた。

 午後1~8時、スタッフとして食材の下ごしらえを手伝ったり、主婦らの間を縫うように皿やラップを集めて回ったりした。

 2人は、慶応大4年の二瓶(にへい)太一さん(23)と、日本大2年の中嶋一仁(かずひと)さん(21)。2013年春にできたワテラスの学生マンションに住む。近隣住民や会社員らが集まる「地域活動」を手伝うのが入居条件の一つ。「活動1日=1ポイント」で、年12ポイント未満なら「退去勧告」を受ける。

 さいたま市の実家に住んでいた二瓶さんは「家賃は自分で払う」と親に頼んで2年前の4月に入居。1カ月後の神田祭で町会のちょうちんを持って歩いた。「口調は乱暴でも話すと楽しい。町会の人と初めて会話できた」。今では、「おごってやる」と声をかけてくれる商店主らが何人もいる。

 町会の「祭り、運動会、夜警」のどれかに参加するのも条件。年4回の地域誌発行やイベント開催など、入居学生による企画班にも所属する必要がある。昨春入居した中嶋さんは、2年に1回の神田祭が楽しみだ。「下宿先の住民と話す機会もないのが、普通の学生生活。貴重な経験ができている」

■15人枠に60人