ライフハッカー編集部 - スマートフォン,社会,豆知識 09:00 PM
世界一頻繁に撮影するのは日本の若い女性:調査でわかったスマホカメラの使用実態
最新流行の「自撮り棒」の例を挙げるまでもなく、モバイル端末を利用したパーソナルメディアが爆発的な人気を呼んでいることは、みなさんももちろんご存じでしょう。写真や動画を誰もがひっきりなしにアップできるInstagramやVineは、新たなソーシャルメディアとしてもてはやされています。でも、パーソナルメディアについてもっとくわしく調べてみると、ユーザーの使い方には興味深い違いがあることがわかってきます。
例えば、iOSユーザーが撮影する写真の平均枚数は、Androidユーザーよりもずっと多いとか、女性は男性よりも、目に見える形で思い出を残すのに熱心だ、といったデータがあります。パーソナルメディア関連の新興企業Magistoは、かなり前からこのような相違点に着目しており、このほど、集めたデータとその分析結果の一部を、原文記事が掲載された米メディア「Gigaom」だけに教えてくれました。その結果は驚くべきもので、パーソナルメディアやオンラインソーシャルサービスに関する製品作りに携わっている人なら、絶対に目を通しておくべき貴重なデータです。
ただし、ここで注意しておきたいのは、Magistoが集めたデータには自己選択バイアスの問題がある点です。同社はユーザーが日々撮影しているスナップショットやビデオクリップにBGMや視覚効果を追加し、短く共有可能な動画に変換するアプリを提供しています。ですから、全く写真を撮らないタイプの人はMagistoのアプリをそもそもダウンロードしていないので、調査対象に偏りがある可能性を考慮してください。
とはいえ、同社もそのあたりは考えていて、調査の対象をアプリを、ダウンロードして間もないユーザーに絞っています。これは、同社のアプリを使い続けるうちにますます写真や動画を撮るようになる、いわゆるフィードバック効果を避けるためです。Magistoが今回のレポートでパーソナルメディアの使用状況を調査したiOSおよびAndroidユーザーの数は、最終的に6万6000人に達しました。
モバイルユーザーは平均で毎月150枚の写真を撮る
まずは、一番大事なことから紹介しましょう。このMagistoの調査によると、われわれモバイルユーザーは実に多くの写真を撮っています。平均的なユーザーが新たに撮影する写真は任意の1カ月間で150枚ほどです。つまり、1日あたり約5枚です。一方、動画撮影はそこまで盛んではなく、1カ月にユーザーが撮る動画の平均本数はわずか7.5本にとどまっています。言い換えると、動画が1本撮影される間に、平均で20枚の写真が撮られている計算になります。そして、こうした動画は短いものがほとんどです。平均の7.5本を全部足しても、総撮影時間は7分にしかなりません。
カメラロールには平均で630枚の写真と24本の動画が保存されている
モバイルユーザーは、単に毎月たくさんの写真を撮るだけではありません。撮影した写真を端末に保存し、持ち歩いています。平均的なユーザーは、写真630枚と動画24本を端末に保存していますが、この場合も動画は大半が短いもので、全部合わせても23分程度です。どうやら、初めての長編映画作品をスマートフォンで撮ろうという猛者はあまりいないようですね。
ただし、これらの数字は全世界の平均で、端末が採用しているプラットフォームやユーザーの年齢層、性別などが考慮されていません。もう少し突っ込んで分析してみると、ユーザーの特性によって大きく異なる使用パターンが浮かび上がってきます。ではまず、ユーザーを区分けする最も大きな違いの1つについて、くわしく見ていきましょう。すなわち、iOSとAndroidの比較です。
iOSユーザーの1カ月あたりの写真撮影枚数は、Androidユーザーを65%上回る
iOSユーザーが任意の1カ月に撮影する写真の枚数は、Androidユーザーと比べて65%多くなっています。具体的には、iOSユーザーは1カ月あたり平均で182枚の写真を撮ります。一方、Androidユーザーの場合は平均111枚と少なめです。この開きは、両プラットフォームのカメラロールのサイズにも見られます。iOSの標準端末が保存できる写真の枚数は、Androidの標準端末の2.3倍です。
この差については、いくつかの仮説が考えられます。1つは、Androidのエコシステムに関連するものです。Androidの場合は1台600ドルもするフラッグシップ機だけでなく、50ドル前後で手に入るようなとても安い端末も出回っていて、しかもプリペイド対応機もあります。こうした低価格帯の端末は、内蔵ストレージがかなり少ないのが普通であり、ユーザーが保存できるパーソナルメディアが限られます。「ストレージ容量が不足しています」というメッセージが頻繁に出るような端末だったら、1カ月に180枚も写真を撮る気になれませんよね。
また、Appleが長年、『iPhone』で撮影する写真の画質向上に取り組み、大きな成果を挙げてきたことが後押しとなり、ユーザーが写真をどんどん撮るようになった、という考えかたもあるでしょう。この場合も、比較的高価なAndroid端末ならiPhone同様に美しい写真を撮れますが、安価なAndroid端末では難しいという事情が絡んできます。
25歳以下の女性iPhoneユーザーは、1カ月に平均250枚の写真を撮る
ユーザーのパーソナルメディアをめぐる行動に影響を及ぼす要素は、使っているモバイルOSだけではありません。性別も大きな要素です。女性は男性よりも写真撮影枚数が47%多く、逆に動画の場合は、男性が女性を15%上回っています。そして誰よりも写真撮影に熱中しているのは25歳以下の女性iPhoneユーザーで、1カ月の撮影枚数は平均250枚に達します。
このデータについて納得できる理由を見つけるのは、iOSユーザーのほうがAndroidユーザーよりも写真をたくさん撮る理由を説明するよりも、はるかに難しいかもしれません(また、これに関する仮説を提示すると、特定の層を怒らせる可能性も高いでしょう)。とはいえ、男女間のこうした差異が、現在オンラインで人気のソーシャルおよびユーザー生成型サービスのタイプに関して多くを解き明かしてくれます。例えば、数あるオンラインサービスの中でも一番ビジュアル色が強いものの1つ、Pinterestの場合は、ユーザーベースの実に8割が女性です。
動画撮影に関しては、男性のほうがやや頻度が多いというのも、興味深いデータです。これは、動画撮影に対するイメージの問題を浮き彫りにしているのかもしれません。動画のキャプチャや編集ができるアプリの使い勝手にも関わっていると考えられます。あるいはひょっとすると、長年染み付いてきた、性別に関するありがちなステレオタイプが反映されているのでしょうか。ちょっと時代をさかのぼり、1990年代、さらには1980年代のホームパーティーがどんな感じだったか、振り返ってみてください。誰もがありとあらゆることをスマートフォンで記録し始めるより、はるかに前の話です。ポータブルビデオを片手に持ち、床に這いつくばってベストショットを撮ろうとしている親戚がいませんでしたか? その人はおそらく男性だったはずです。
男性のAndroidユーザーが毎月撮影する写真は平均わずか90枚
それからもう1つ、ご参考までにデータを挙げておくと、男性のAndroidユーザーは写真を撮る枚数が一番少なく、1カ月あたりの撮影枚数は平均でわずか90枚です。
ここまで挙げてきた数字はすべて全世界の平均ですが、各地域を比較してみても、実に興味深い違いが見て取れます。Magistoは、地域別のデータについてはあまり多くを明かしませんでした(Magistoにも競合他社がいますからね)。とはいえ、同社は非常に際立った特徴を持つある地域について、興味深いデータを教えてくれました。日本のモバイルユーザーは、世界のどの国よりもメディアを活用しているというのです。
日本のユーザーのカメラロールには平均で1500枚/本の写真と動画が収められています。これは全世界平均の2.3倍という数字です。そのほかの国々と同様に、日本でも一番たくさん写真を撮っているのはiPhoneを使う25歳以下の女性です。こうした女性が撮影する写真の数は、世界の残りの国々の女性たちをさらに上回っています。平均すると、日本に住む25歳以下の女性のiOSユーザーは、1カ月に300枚以上の写真を撮ります。これはおよそ、1日に10枚にもなる数字です。
これから何年かすれば、世界のほかの国々も日本の若い女性に追いつき、同じような行動をとるようになるのでしょう。ただし、モバイルプラットフォームや性別の違いは、これからもしばらくの間はユーザーの行動様式を分ける要素になるとみられます。創業間もない企業にとって、こうしたデータは、自分たちがターゲットとすべきユーザー層、さらにはこうした属性ごとのギャップを狭めるための課題について、役立つ示唆を与えてくれるはずです。
Janko Roettgers(原文/訳:長谷 睦/ガリレオ)
Photo by Shutterstock.
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