コスパが悪い?:若者の「恋愛に無関心」 本音は…

毎日新聞 2015年02月04日 17時53分(最終更新 02月04日 18時17分)

バレンタインデーを前に女性客でにぎわうチョコレート売り場。「恋愛離れ」なのかどうか「最近は家族や友人、自分への『ご褒美』チョコが人気です」と担当者=東京・池袋の西武池袋本店で、武市公孝撮影
バレンタインデーを前に女性客でにぎわうチョコレート売り場。「恋愛離れ」なのかどうか「最近は家族や友人、自分への『ご褒美』チョコが人気です」と担当者=東京・池袋の西武池袋本店で、武市公孝撮影

 時まさにバレンタイン商戦花盛り。だが、今や男女を問わず、恋愛に消極的どころか、人を好きになったり、恋愛したりすることに関心がない若者が現れているらしい。5人に1人が「片思いすらしたことがない」との調査も。人を好きにならないって、ホントにあり得るのか。【吉井理記】

 断っておくが、記者(男、39歳、既婚)は今も昔もモテない。だから訳知り顔で恋愛論を語ることなどおこがましいと自覚している。それでも、だ。結婚情報サービス大手「オーネット」が1月に公表した新成人600人を対象にした調査にはのけぞった。

 やっと20歳になる若者だから、交際経験が「ゼロ」が47・8%(男50%、女45・7%)というのは分かる。理解できないのは「片思いを含む恋愛経験」がゼロ、つまり人を好きになったことがない人が、19%(男16・7%、女21・3%)もいるという結果だ。しかも、2009年は16・3%で、増加傾向にあるようなのだ。

 顧みれば初恋は小学生のころ。以来、常にだれかしら女の子を好きになっては、フラれていた。だからハタチまでだれも好きにならない、というのはどうにも解せない。

 東京都内の百貨店でバレンタイン特設コーナーをのぞけば、甘いチョコレートの香りと女性客の熱気が渦をまく。「恋愛に関心ない」なんてウソでは、と思いきや「ハート形などラブラブ感あふれる本命チョコより、自分や友達、家族で楽しむ味わい重視のものが人気」(販売店員)という。

 恋愛に消極的な「草食系男子」という言葉を世に広めたマーケティングライター、牛窪(うしくぼ)恵さんが振り返る。「『草食系男子』の取材を始めたのは06年ごろですが、当時から『恋愛に関心がない』との20代女性も多かった。恋愛離れは男女共通の現象と言えます」

 ちなみに1月スタートのフジテレビのドラマ「デート〜恋とはどんなものかしら〜」は、恋愛経験ゼロ、かつ恋愛に興味がない29歳の女性が主人公。とある理由で恋愛抜きの結婚を目指す。牛窪さんは「実際『ゆとり世代』と呼ばれる27歳ぐらいまでの男女を中心に、結婚に至らない恋愛は無駄だ、と考える人が多い」と見る。

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