サマーレッスン:革新を実感!話題の仮想現実ゲーム開発者に聞く
2015年01月18日
業界関係者から「ファミコン以来の衝撃」との呼び声も高いPS4のヘッドマウント・ディスプレー(HMD)「Project Morpheus(プロジェクト モーフィアス)」のデモコンテンツ「サマーレッスン」を体験してみた。バーチャルの世界と知りながら目の前のキャラクターに思わず視線をそらし、のけぞってしまうほどの臨場感は映画「マトリックス」に出てくる仮想現実空間のようだ。大きく感情を揺さぶられるほどのリアリティーはどこから生まれるのか。同作の開発者に聞いた。
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HMDは、メガネを付けるような感覚で頭部にユニットを装着すると、目の前にCG空間が出現する。従来のようなテレビのモニターとは違い、仮想世界への没入感は相当だ。「プロジェクト モーフィアス」は、加速度センサーやジャイロセンサーなどを装備し、装着している人の頭部や動きを検知し、コントローラーなどを使わなくても、頭を動かすだけで上下左右360度映し出される風景が追従。その動きはスムーズで破綻や乱れもなく、現実世界とまごうばかりだ。
「サマーレッスン」は、部屋の中で可愛い女の子に勉強を教える……という設定の作品。スタートすると、窓から海の見える部屋が出現し、部屋を見回していると、後ろから女の子が声をかけてきて、近づいて目の前に座り、マンツーマンで勉強を教えていく。女の子から質問が投げかけられたときは、首を縦に振って「イエス」、横に振ると「ノー」というふうに受け答えをする。
一見すると女性キャラクターとコミュニケーションを取るだけのゲームに思えるが、プレーすると従来のゲームで体験したことのない臨場感と空気感に驚く。自分の目の前に座るシーンでは、「近すぎる!」と思い、距離を取ろうとのけぞってしまった。他人に近づかれると思わず距離を取ってしまう「パーソナル・スペース」を、あろうことかバーチャルの世界で感じたのだ。
「プロジェクト モーフィアス」は発表直後から取材などの問い合わせが殺到し、SCEが「要望に対応できない」としてゲームショウの出展を見送ったほど注目されている。「サマーレッスン」は「プロジェクト モーフィアス」のデモコンテンツとしてバンダイナムコゲームスが開発したもので、2014年11月末に開催された試遊会では、ファンサイト限定で700人を募集したところ、数倍の応募者が殺到し、「正式なゲーム(商品)でないのに、ちょっと考えられない状況」と関係者が驚くほどの人気ぶりだ。