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itouitou  - ,,,  10:00 PM

「時間資産」と「時間負債」を確認して生産性を高める方法

「時間資産」と「時間負債」を確認して生産性を高める方法

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ほとんどの生産性戦略は短期的な効率、たとえば朝、あるいは勤務時間中にいかに多くのタスクをこなすかにフォーカスします。一方、ある種の戦略的選択は、投資や借金のように、私たちの時間により広範囲な影響を与えます。今回は「時間資産」および「時間負債」という考え方を紹介します。


「時間資産」という考え方を説明する事例に、スティーブ・ジョブズ氏のおもしろい逸話があります。晩年のジョブズ氏がナンバープレートを付けずに車を運転していたのは有名です。

ジョブズ氏がナンバープレートのない車に乗っていた理由について、さまざまな憶測がありました。人に後をつけられたくないからだという説もあります。駐車違反切符から逃げるゲームを楽しんでいるのだと言う人もいました。そんな中、Appleでセキュリティの仕事をしていたJon Callas氏が、本当の理由を明かしました。

Callas氏によると、ジョブズ氏はカリフォルニア州の車両登録法の抜け穴を見つけたのだそうです。同州では新車を購入すると、6カ月以内にナンバープレートを取得しなければなりません。裏を返せば、最初の6カ月間はナンバープレートなしで運転できるということです。

これに気づいたジョブズ氏は、メルセデスのディーラーと特別なリース契約を結び、6カ月ごとに新しいMercedes SL55 AMGに交換することにしたのです。これで常に6カ月未満の新車に乗り続けられます。つまり、ナンバープレートは永久に必要ありません。

この話をすると、みんなこう言います。「お金持ちだからできるんだよ...」 もちろん、多くの人にとって、このナンバープレート戦略はただナンセンスなだけです。しかし、もっと注意深く見れば別のことに気づきます。ジョブズ氏は「時間資産」を作っていたのです。


時間資産 vs. 時間負債


ほとんどの生産性戦略は短期の効率にフォーカスします。ToDoリストを効率的に管理する、毎朝より多くのタスクをこなす、会議の時間をできるだけ短縮する、などです。もちろんこれらはすべて合理的な考えです。

しかし、より広範囲にわたって、私たちの時間に影響を与える戦略的選択があることに、多くの人が気づいていません。それが、「時間資産」や「時間負債」に関わる選択です。私はこの考えをプログラマーである友人のPatrick McKenzie氏から学びました。


「時間資産」とは、あなたの未来の時間を節約する、今日の行動、選択のことです。

ソフトウエアは時間資産の典型的な例です。一度プログラムを書いてしまえば、あとは毎日、あなたのかわりに処理を実行してくれます。今日、前払いで時間を投資すれば、未来において毎日、報酬を受け取れるのです。

スティーブ・ジョブズ氏が構築したリースシステムも時間資産の一例です。法の抜け穴を見つけ、リースシステムを手配するのにある程度の時間がかかったでしょう。しかし、一度仕組みを整えてしまえば、6カ月ごとにイチからやり直す必要はありません。もちろん、ナンバープレート申請の列に並ばなくても済むうまい方法でもあります。


「時間負債」は、あなたの未来の時間を食いつぶす、今日の行動、選択です。

メールは、多くの人が毎日作り出している時間負債です。自分からメールを送れば、今度は返ってきたメールを読んだり、返信を書かねばなりません。あなたが送るすべてのメールは小さな負債なのであり、後からツケを払わねばなりません。

すべての時間負債が悪いとは言いません。地域ボランティアや教育委員会への貢献を楽しんでいる人もいるでしょう。しかし、こうした活動に参加するのは、後で払うことになる時間負債を作ることでもあります。自己犠牲に見合う価値を受け取れるのかどうか、見直してみるべきかもしれません。


実生活における時間資産の例


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以下に、私の仕事における時間資産と時間負債のサンプルを書き出してみました。


時間資産

スピーキング。自分のウェブサイトにスピーキングページを開設して、よくある質問に答えたり、適切な依頼者を選別するのに使っています。FAQリストやサインアップフォームをつけてもよいでしょう。このシステムの目標は、自分が提供できるサービスを明確にし、毎日メールでやってくる質問に、まとめて回答することです。

アカウンティング(会計)。経理係や会計士と明確なルールを共有することで、毎月の支出と取引を自動でタグ付けするシステムを構築しています。これで、毎回繰り返される取引を、毎回手動で承認しなくて済みます。

スケジューリング。面談や電話、インタビューの予定を決めるときには、膨大なメールのやりとりが発生します。『ScheduleOnce』のようなソフトウエアを使えばこの問題は解決します。予約可能な時間のリストから、相手自身に選んで予約を入れてもらいましょう。


時間負債

メール。メールをたくさん送れば、それだけメールが返ってきます。返信を書く時間もそれだけとられることになります。

インタビュー。講演者やライターとして、私はよくインタビューの依頼を受けます。頼まれたインタビューにはすべてYESと答えています。今では毎週3~5つのインタビューを受けています。とはいえ、すべてのインタビューにYESというのは時間負債を作ることにほかなりません。

質の低い仕事。いいかげんな記事を書けば、あとで修正せねばなりません。ずさんなコードを書けば、いずれツケを払うことになります。低品質のプロダクトを売れば、顧客サポートや返金などの対応に追われます。質の低い仕事はすべて時間負債であり、後から返済するはめになります。Jon Wooden氏は言っています、「今それをちゃんとやる時間がないなら、それをもう一度やる時間などあるだろうか?」


時間を増やすためのシステムを構築する


システムはゴールより重要です。時間資産はそのことを証明する完璧な例でもあります。時間資産は、来る日も来る日もあなたのために働いてくれるシステムと言えます。

逆に、スケジュールが時間負債で埋まっているなら、いくらハードに働いても無駄になります。時間負債は、あなたを生産性の落とし穴に落とし続けます。そうではなく、時間資産を戦略的に作っていけば、あなたの時間は指数関数的に増えていきます。

ナンバープレートを付けずに運転するのは、時間節約としては極端すぎるやり方に見えます。(また、ナンバープレートを取得するより、車を交換するほうが時間がかかるという議論もあるでしょう)、しかし、ここで重要なのは、ジョブズ氏が普通の人では思いつかない戦略思考を行ったということです。このやり方はジョブズ氏だけに有効なのではありません。私たちすべてに有効です。

時間負債はいずれ返済を求められます。選択するときは慎重に。一方、時間資産は繰り返しあなたに報酬を支払ってくれます。同じ時間をかけるなら、時間資産を作ることに使ってください。


Time Assets vs. Time Debts: A Different Way of Thinking About Productivity | James Clear

James Clear(原文/訳:伊藤貴之)
Image by Viktoria Kazakova (Shutterstock).

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