2014年12月29日更新
Mr.Children(ミスチル/ミスターチルドレン)の名曲「HANABI」の歌詞を紐解く!
医療ドラマ「コード・ブルー」の主題歌にもなり、話題となったMr.Childrenの名曲「HANABI」。印象的なフレーズの多い曲ですが、どういうことを歌った曲なのでしょうか?主人公の心情に寄り添いながらHANABIの世界を覗いて見たいと思います♪
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出典: http://ecx.images-amazon.com/
HANABIはMr.Childrenが2008年9月にリリースしたシングルです。
山下智久さん、新垣結衣さんなど豪華キャストの医療ドラマ「コード・ブルー」の主題歌になっていたこともあり、
お茶の間でも聞き覚えがあるのではないでしょうか?
今回はそんなHANABIの世界を主人公の心情に寄り添いながら歌詞を紐解いていきたいと思います!
"君"は死別した恋人?!
さて、歌詞を読み解く前に少し整理しておきましょう。
歌詞に出てくる"君"は諸説ありますが、もう逢えない距離にいる相手であることは確かそうです。
死別、別れた恋人とくらいの解釈ができそうです。
また、今回は主人公の心の変化に着目するために、HANABIの中で何度もでてくる印象的なフレーズ
"もう一回"というところに注目してたいと思います!
HANABIの世界へ!
1番:君がいなくなった世界への主人公の不安感、助けを乞う心情
どれくらいの値打ちがあるだろう?
僕が今生きているこの世界に
すべてが無意味だって思える
ちょっと疲れてんのかなぁ
手に入れたものと引き換えにして
切り捨てた幾つもの輝き
いちいち憂いていれるほど
平和な世の中じゃないし
主人公はすでに”君”が去ったあとの世界にいます。
閉塞感ただよう日常、そこにどんな理想を描いてどんな希望を抱いたらいいんだろうという自分の暗い気持ちなのでしょう。
君がいたらなんていうかなぁ
「暗い」と茶化して笑うのかなぁ
その柔らかな笑顔に触れて
僕の憂鬱が吹き飛んだらいいのに
でも"君"はそんな世界と自分も茶化して笑ってくれる。
そんな憂鬱を吹き飛ばしてくれるような存在。
"その柔らかな笑顔に触れて"自分を救って欲しい。
決して捕まえることの出来ない
花火のような光だとしたって
もう一回 もう一回
もう一回 もう一回
僕はこの手を伸ばしたい
この1番のサビ、"もう一回"僕はこの手を伸ばしたいというのは"君"という存在に救いの手を求める、
主人公の弱い気持ちを見せているように思えませんか。
自分が弱っている時に何かに助けを求めたくなることがありますよね。
2番:前を向き始めた主人公。少しずつ君への気持ちに変化が。
2番になると主人公に少し気持ちの変化が表れてきます。
笑っていても泣いて過ごしても
平等に時は流れる
未来が僕らを呼んでる
その声は今 君にも聞こえていますか?
暗い気持ちでいても時は流れる。その中で生きていかなくちゃいけないことを理解し始めている。
"未来が僕らを呼んでるその声がいま君にも聞こえていますか?"というのは、
一緒に歩いていけない、生きていけない距離だけど、"君"と同じ未来に向かっているんだろうか?
そう考えていいよね?という気持ちではないでしょうか。
"未来が僕らを呼んでいる"と言っていることから、未来に希望を見出し、
自分が未来に求められているという前向きな気持が出てき始めていますね。
さよならが迎えに来ることを
最初からわかっていたとしたって
もう一回 もう一回
もう一回 もう一回
何度でも君に逢いたい
めぐり逢えたことでこんなに
世界が美しく見えるなんて
想像さえもしていない
単純だって笑うかい?
君に心からありがとうを言うよ
この2番目のサビ、そこまでの主人公の気持ちを踏まえると、1番と違って君の隣にいるような状態で、
一緒に横で歩いていける関係としてもう一回会いたいと言っているように感じませんか。
さよならが来るのはわかってる。でももう一回会いたい、と。
明らかに1番の救いを求める感じとは違って、前向きな状態になっていることがわかります。
滞らないように揺れて流れて
透き通ってくような心であれたら
君というきっかけ1つで世界が違って見える日常にはいいことも悪いことも起こるけど、
それぞれをしっかり受け入れて歩いていける、そんな透き通った心でいたい。
そうあれればという決意が、この大サビの前で感じられます。
大サビ:新しい覚悟を持った主人公
逢いたくなった時の分まで
寂しくなった時の分まで
もう一回 もう一回
もう一回 もう一回
君を強く焼き付けたい
誰も皆 問題を抱えている
だけど素敵な明日を願っている
臆病風に吹かれて 波風が立った世界を
どれだけ愛することができるだろう?
もう一回 もう一回
もう一回 もう一回
3番の"もう一回 もう一回"は君に心からありがとうを言ったあとの気持ちで
"会いたい"ではなく、"強く焼き付けたい"と言っている。
もうこの主人公はすべてを受け入れてきっと素敵な世界に歩き出す覚悟ができたんでしょうね。
最後のもう一回もう一回 もう一回もう一回は"君"を残して歩き出した覚悟ではないでしょうか。
ちなみに、花火というのはおそらく最も印象に残っている"君"の顔、笑顔を表しているんだろうと思ってます。
HANABIのもうひとつのメッセージ
素直に読むと上記の通りかなと解釈したのですが、
もう一つ、Mr.Childrenが伝えたかったメッセージがあると筆者は考えています。
この当時もそうですが、いまでも世の中の閉塞感は拭いきれません。
悲惨な事件、戦争、不況・・・。これからを考えると不安になる要素が多いですよね。
でも、そんな中でもきっと、みんな誰でも"素敵な明日を願って"いて、"世界が美しく見える"はずだと感じているのではないでしょうか。
世界は本当は美しくて、明日はきっと素敵なはずで、それが私たちが生きている世界ではないでしょうか。
そしてそう感じられるきっかけとなる"君"という存在をみんな待ち望んでいたり、
あるいは実はもう近くに居たりするのではないでしょうか。
それが親友なのか、恋人なのか、家族なのか、あるいは子供なのかはわかりません。
でも誰もがそうした存在を確かに感じているのではないでしょうか。
その"君"をしっかり受け止めて、良い部分も悪い部分も世界として認めて、
そうしたらきっと素敵な明日がはずだよと、そういうメッセージを私はHANABIから受け取りました。