渡辺洋介
2014年11月27日06時53分
生乳(せいにゅう)が不足し、バターの品薄が深刻だ。国内で酪農家と乳牛が減り続け、生乳の生産量が落ち込んでいるためだ。牛へ与える餌の高騰や環太平洋経済連携協定(TPP)への不安から、後継者がいても継がせないケースもあり、離農に歯止めがかからない。
乳牛の飼養頭数が全国一の北海道。中西部にある岩見沢市で11月初めの午前5時、雪がちらつく闇の中、牛舎に明かりがついた。4代続く引頭(いんとう)牧場。柵から顔を出す乳牛に餌を与え、搾乳機を取り付けて生乳の搾り出しが始まった。
親牛50頭を飼う中規模農家。農場主の引頭一宏さん(53)は大豆や小麦を作っているため、妻の玉枝さん(52)と長男夫婦の啓(あきら)さん(28)、悠香梨(ゆかり)さん(35)が牛に携わる。
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