久々のブログが凄くポエムっぽいタイトルですがポエムです。
「お前のポエムなんか読みたくねーよ」という方はここで閉じた方が賢明です。
この1年がっつりネイティブマーケットに入っての所感というか感じたことを、
つらつらとですが自分の整理も兼ねて書いて行きたいなと思います。
厳密には2013年の春ぐらいからはお仕事的にはネイティブやっていましたので2年弱ですかね。
その間に僕が感じたことや感じていること、そしてこれからどうなるかなどについても書いてみます。
▼Web屋からの転換
もうこれは各社の決算資料などでも見ていることかもしれませんが、
僕みたいなブラウザソーシャルゲームしかゲームを作ったことがない人には本当に大変でした。
まず必要となる技術が大きく変わって、今までの知識や経験がほぼ意味のないものに。
もちろんソーシャルなのでサーバー周りの知識はそのまま生きるのですが、
サーバーに辿り着くまでのアプリの作りの時点で大きく躓いてしまうことが多々ありました。
ブラウザソーシャルはパファーマンスとか細かいこと何も考えなければPHP選んで、
コーディングしてあとは画像ペタペタしてみたいな感じである程度までは辿り着けました。
※かなり端折ってますがあくまでもわかりやすくするためのイメージですw
だけどネイティブになると「そもそも何で作るのか」というのが大きな論点になり、
ゲームエンジンを使うことのメリットやデメリット、
ゲームエンジンを使わないことのメリットやデメリットなど様々なことを勘案し、
さらには人員をアサインするというハードルの高さは皆さん感じているところかと。
(ゲームエンジン使わない場合にはどの言語にするかも悩みどころ)
あるあるですが「Unityで行くぞ!」みたいな号令が掛かっても、
「Unityできる人がいない!」とかになって「じゃあUnityエンジニア採用しよう!」となったはいいが、
「そもそもでUnityのスキルチェック出来る人が社内にいない!」みたいなのは日常茶飯事かと。
別にこれはこれで誰もが通る道であるので仕方ないことではあるのですが、
やはりコロプラみたいに早くからネイティブに突っ込んでいたところは、
こういうのはもっと前に経験しているのでこの状況でこんな悩みは出てこないですよね。
改めて波に乗ることの大事さを痛感しています。
また、なんとなくではあるのですがWeb屋の人たちは自分も含めて、
心の中で「どうにかなる!」みたいな甘い考えがあって、それを何度も折られたのではと思います。
(個人的にはブラウザソーシャルは今まで何とかなっていたところがあったので....)
最近コンシューマーの方たちと仕事させていただく機会が多いのですが、
やはり皆さんそれ相応に時間とお金を掛けて作られていますからね。
規模が大きい分、スケジュール管理などの能力や経験は断然上です。
あの辺りは積極的に学んでいきたい所存です。
▼1本のタイトルを作ることに対する考え方の変化
まぁ自分がどれぐらいのものを想像していたのかにも依るのですが、
僕が2013年末に思い描いていた以上に競争は激化しているなと思います。
クオリティを上げるために大勢の人員をアサインすることで開発費が上がりますので、
企業としても1本1本のタイトルに対して向き合い方が大きく変わってきています。
最近の決算説明会などでよく聞く話ではあるのですが、
「社内での企画会議を通過したもののみモックを作るフェーズへ」とか
「モックで好評だったもののみ人員をアサインしてリリースまで作る」みたいなのが増えました。
雑な言い方すると今までのブラウザソーシャルは多産多死みたいなところがあって、
リリースすればMobageやGREEなどの新着に載って数万人はユーザーが入ってくるので、
そこで数字が良いもののみプロモや運営に力をいれるみたいな考えは少なからずありました。
それがApp StoreやGoogle Playでゲームを出しただけではほぼ人は入らず、
ブーストやADNWなどのプロモーション費用にお金を掛けないとユーザーは入ってこず、
そもそもでユーザーが入ってこないから全く売上が上がらないという形になっています。
(そう思うとMobageやGREEは凄かったな~としみじみ。)
企業もお金掛けて作って売上がないとたまったもんじゃないのでプロモにお金を掛けます。
そこでお金を掛けてなんとか売上を作ろうor伸ばそうと考えます。
だけどそのプロモに掛かるお金が高いんですよね・・・。
App Storeで1回ブースト打って1位取ろうと思うと数百万は軽く飛ぶし、
それを何回もやろうと思うと軽く数千万は飛んで行きます。
開発費に数億掛けてプロモ費用に数千万・・・それで売れなかったことを考えると・・・。
(それこそハリウッド映画作るみたいになってきていますねw)
そんな理由もあって会社としてもプロモ費用を掛けるタイトルを選別するようになりますし、
より成功確率の高いタイトルによりたくさんのお金を使うという形になってきています。
もう既に鉄板スキームになってきていますが現状TVCMの効果が最も高いので、
今後はネイティブゲーム業界もそちらに集中投下することになり、
さらなるプロモーション費用の高騰などが考えられます。恐ろしい・・・。
これで今より1本のタイトルをリリースすることの難易度は上がるのではと予想しています。
(だからこそプロモ費が抑えれるIPが重宝されるのですが・・・)
▼ネイティブマーケットの閉塞感
「お前これでメシ食ってんのにいきなり何を言ってるの」という感じですが、
日本のネイティブマーケット自体もおおよそ天井は見えたなというのが感想です。
2015年や2016年になってもおそらく今の2倍のマーケット(日本のみ)になることはないし、
2020年まで待てば3倍以上になるということはないのではと思います。
つまりは今あるこのパイをみんなで奪い合うという形になります。
もしくはこれから人口が増えて所得も上がる海外諸国に出て行くという選択。
この辺りはおそらく国光さんとかが物凄く理解されていて、
上場前にも後にも関わらず海外拠点を作りまくっているのはそのせいかと思います。
傍からみたら結構ぶっこんでいるという風に見えるかもしれませんが、
この辺りの閉塞感を感じている人間としては最もらしい選択だなと。
確かにパズドラみたいに日本の売上がほぼ9割以上なのに世界で売上1位とか取れるのですから、
そういう意味では日本国内でぶっちぎるというのは1つの手段ではあるのですが、
パズドラみたいなゲームは数年に1本出るか出ないかなのでその選択はビジネス的になし。
(中途半端にデカイ内需だけに満足すると国内家電メーカーみたいになる気がw)
このあたりの閉塞感というか勢いが止まったなというのは個人的には凄く感じています。
下手したらまだまだスマホでお金使ってない人がたくさんいて、
楽天とかAmazonのおかげでスマホでお金使うことに慣れまくった結果として、
「気がついたら2020年に今のマーケットの3倍になってました!」とかありえるのかもですが。
とちょっとネガティブなこと書いた一方で2013年から2014年に掛けて、
App StoreやGoogle Playのマーケットが凄く伸びたなとも同時に感じています。
自分が観測できる範囲内でも「売上ランキングは落ちたけど売上は伸びた」という声がチラホラ。
ランキングは相対的なものなので1つの指標にしかならないのですが、
おそらく1年前の月間30位と今の月間50位あたりはほぼ同じぐらいの売上規模なのではと見ています。
あと1年前はパズドラの完全なる1強でしたがモンストなどの登場によって、
上位層も厚くなっていますので月間10億円越えタイトルもかなり増加したかと。
おそらく今は両OSで月間10位前後にいればそれぐらいの数字は軽く出せるはず。
こうやって考えると凄まじい伸びだったんだなと思います。
カードバトル全盛期を彷彿とさせてくれますね。あの時は楽しかった。
長くなったので前編にしてこの辺りで区切り
(後編に続く)
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