仙波理
2014年11月27日11時02分
都心のJR高架下の印象が変わるかも知れない。サラリーマンがネクタイを緩める酒場に軒を連ねる小規模店……。そんな「ガード下」に情報発信の拠点や地域密着型の福祉施設も。見えてきたのは既存の空間を有効利用するアイデアだ。
JR中央線の西荻窪駅と吉祥寺駅のほぼ中間。元気な子供たちの声が聞こえてきた。それを笑顔で見守るお年寄り。武蔵野市吉祥寺南町の「コトニア吉祥寺」は線路の下にある複合型福祉施設だ。子育て支援と高齢者福祉の両立を目指して昨年3月に開業、保育園とリハビリ介護施設、訪問入浴介護事業所が一体となっているのが特徴だ。園庭は共用で「園児にとっても、お年寄りにとっても自然な触れ合いの場」と小田原恵子園長は話す。夏祭りやクリスマス会など、共同での催しにも積極的だ。
約1900平方メートルの敷地は元駐車場。屋根の上に十分な空間があるため、電車の通過音は子供たちの声にかき消されてしまう程度。自転車で子どもを送り届けた母親が、近くの駐輪場にとめ、そのまま駅から職場に向かう姿も見られる。来年4月には、JR赤羽駅(東京都北区)近くの高架下に、3階建てで延べ床面積約2900平方メートルの「コトニア赤羽」も誕生する。
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朝日新聞社会部
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