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 ルクセンブルクの税務当局が、世界各国の340以上の企業と取り交わした個々の課税に関する非公開の合意文書を、非営利の報道機関「国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ、米ワシントン)が入手し、公表した。国境を越える出資や融資にルクセンブルクの法人を介在させることで税額を抑える「租税回避」の方法が文書の多くに示されている。

 文書は全部で2万8千ページ。大手会計事務所のPwC(プライスウォーターハウスクーパース)のルクセンブルク法人が2002~10年に作成したとされ、その多くに、ルクセンブルク政府の課税当局者の承認印が押されている。PwCが、顧客である各企業の資金の流れなどの事情を当局に説明し、どのようにそれに課税されるべきかについて交渉し、当局者との間で合意を得た――という経緯が示されている。

 09年6月24日付の文書には、日本国民の負担で破綻(はたん)処理された日本債券信用銀行の後身、あおぞら銀行に米ファンドのサーベラスが投資した際に米国、ルクセンブルク、オランダ、ケイマンの20の法人や組合を経由して資金が流れた構図が示されている。

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