合田禄
2014年11月7日17時05分
マウスの体全体を透明化する技術を開発したと、理化学研究所や東京大などの研究チームが7日、米科学誌セルに発表した。臓器を立体的に観察することができ、病気の原因などを調べる方法に活用できる可能性があるという。
研究チームは、尿素などでつくる試薬が、臓器に多く含まれる血液の色素を除去できることに気づいた。マウスの体に組織を保存するための液を注入した後、その試薬を流し、皮膚を取り除いた。さらに試薬を満たした容器に2週間、マウスの体を浸すと骨や目以外の組織が透明になったとしている。
透明になったマウスは、特殊な顕微鏡を使うと臓器が立体的に見られる。細胞やたんぱく質に色をつけることで、病気になった臓器のどこに形の異常があるかや、神経がどのように働いているかを調べることができるという。
東京大医学系研究科の田井中一貴講師は「試薬の値段も安く、方法も難しくない。これまで臓器の切片だけを見ることが多かったが、この方法なら臓器全体を見ることができる」と話している。(合田禄)
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