サッカーをやっている人、サッカーをよく見る人、またはその両方。戦術や来季のJリーグの細かいレギュレーションを把握している人。さまざまいると思います。しかし、なんでサッカーにそんなに深くかかわるのにルールブックを見たことがないのでしょう。今さらルールなんて見なくても分かります、と思っているのでしょうか。
サッカーをやっているのにルールブックを見たことがない、ルールを知らないっていろいろやばいですよね。特にプレイヤーとしてサッカーに関わる人。本当にルールを知らないのは審判ではなくてルールを知らないあなたたちです。直接FKとなる10個のファウル今すぐ言えますか?言えないのならそれは”サッカーのルールをしらない”ということです。それでいてなぜ「日本の審判は酷い」とか「理解しがたい判定」とか言えるのかわかりません。確かに競技規則を見る機会ってなかなかないですけど、それはJFAやJリーグのせいではないですよ。ちょっと調べれば競技規則だって見ることはできますし、その解説をしているサイトだっていろいろあります。ルールを知らないのは自分のせいです。そこは間違えないでください。
そこで今日はファウルについて解説したいと思います。
初めに大口叩いておきながら僕もまだルールを完ぺきにわかっていないので完全にカバーできているかわかりませんが…
~ファウルってなに??~
まず、そもそもファウルってなに?ってところから。
見やすそうですけど書いてあることはよくわからないと思います。大まかにいうと、
青で分類されている「直接フリーキックとなるファウル」というのは、身体的接触があるファウルです。
赤で分類されている「間接フリーキックとなるファウル」というのは、身体的接触がないファウルです。
直接フリーキックとなる7+3項目はいったいどんなプレーなの?
それでは10個のファウルを確認します。
ちなみに、冒頭での「直接FKとなる10個のファウル」はこれです。
これ上の7つって全部身体的接触がありますよね。これがジャッジする際に大きな判断材料となります。これらのプレーを不用意に行うとピーッと笛が吹かれ、ファウルを判断されます。また、無謀に行った場合は警告がされ、過剰な力で行った場合は退場が命じられます。
※”不用意な”とは、競技者が相手に挑むとき中位や配慮が欠けている、または慎重さを欠いてプレーすること
”無謀な”とは、競技者が、相手競技者が危険にさらされていることをまったく無視して、または結果的に危険ととなるプレーを行うこと
”過剰な力で”とは、競技者がはるかに必要以上の力を用いて相手競技者を負傷の危険にさらすこと
そして、下の3つは相手競技者を押さえる(ホールディング)以外は身体的接触がありません。しかし直接FKとなるファウルに分類されます。それは、そのプレーに意図がなければ起こりえないファウルだからです。しかし、これらのプレーは不用意、無謀、過剰といった判断ができないので、その場に応じて警告退場が判断されます。
例えば、ハンドならば、手でボールを扱って得点しようとすれば警告の対象となり、手でボールを扱って意図的に相手の得点機会を阻止すれば退場となります。
ここで不用意やら無謀やらといった判断は出来ないので判断基準が分かれます。この点で、7つと3つにわけられます。
間接フリーキックとなるファウルってどんなプレーなの?
続いて、間接FKです。簡単にいえば直接FKとなるファウル以外の反則なんですが、それじゃあちょっと大ざっぱすぎますので…
間接FKとなるファウルは4つに大別されます。
1つはオフサイド。これは分かると思います。2つめは12条に載っていないところの違反です。
3条は「競技者の数」というのが規定されており、主審の許可なくフィールドに入ったり出たりすることを制限しています。これに違反すると警告が出されます。
4条は「競技者の用具」というのが規定されており、これに違反すると相手に間接FKが与えられる場合があります。(その多くがアウトオブプレーで処理されるのでめったに見受けられないですが)
8条は「プレーの開始および再開」というのが規定されており、キックオフ時に、他の競技者が触れる前にキッカーがボールに再び触れた場合、キックオフのやり直しではなく間接フリーキックが相手に与えられます。
13条から17条もこんな細かいルールが並べられています。ただ、まぁほとんど知っていると思うので割愛。確認しておきたいのであればぜひ競技規則で。
3つめはGKのファウルについて規定されています。
間接FKとなるファウルで一番大きなウェイトを占めているファウルは、「危険な方法でのプレー」です。危険な方法でのプレーとは自分を含む、競技者を負傷させることになるすべての行為です。
例えば、ハイキックはとても危険なプレーで、警告となってもおかしくありません。(相手を蹴ってしまえば身体的接触がありますので直接FKとなります。)
他には、相手競技者が自陣から大きくボールをクリアしようとする場面で、本来ならばスライディングをすればいいものをヘディングでボールをカットしようと試みようとするシーン。この行為は、相手競技者が負傷を恐れてプレーを制限せざるを得なくなるので、ヘディングを試みた競技者の反則を取られます。もし、相手競技者が頭や身体を蹴ってしまった場合、その行為に警告が出されるかもしれませんが、ヘディングを試みた競技者も同時に厳重注意する必要があります。
しかし、危険ではあるが”通常の方法”で相手に挑んだ場合、警告を受けることはありません。
「相手競技者を押さえる」と「相手競技者の進行を妨げる」って何が違うの?
条文という面からみれば、「相手競技者を押さえる」というのは直接FKとなるファウルの3項目の中にあり、「相手競技者の進行を妨げる」というのは間接FKとなるファウルです。しかし、それで理解は中々できないです。
まずこの二つのファウルを理解するためには”プレーイングディスタンス”というものを知っておく必要があります。
プレーイングディスタンスとは、ボールと競技者との距離であり、その距離が大きかったり小さかったりしてやや複雑です。たとえば、ディフェンダーが長くなったスルーパスなどをゴールキックにするためにアタッカーとボールの間に入るなんて場面よくありますよね。そういう時、プレーイングディスタンスは長いです。逆にフィールドの真ん中の密集地域でボールをキープしようとするときはプレーイングディスタンスは短いです。
要するに、ボールをプレーできる距離のことです。
【プレーイングディスタンスが長い】
これは相手競技者が来ていないのでちょっとわかりづらいですが、ここで名古屋の選手がボールを取りに行っても太田はある程度ボールと距離を取ってブロックすることができます。
【プレーイングディスタンスが短い】
これは逆に、ボールと距離を取って相手をブロックしてしまうとファウルがとられてしまいます。
プレーイングディスタンスの中では、相手競技者をブロックするのは問題ありませんが、プレーイングディスタンスの外でブロックしてしまえばファウルになります。
プレーイングディスタンスの外で相手をブロックするとホールディングとなります。また、相手のスピードを落としたり進行を妨害した場合にはインピード(昔でいうオブストラクション)のファウルを取られてしまいます。
繰り返しになりますがホールディングは身体的接触がありますので直接FK、インピードはないので間接FKです。
このくらいでしょうかね~。これで80%くらいはファウルについてカバーできていると思うのですが…
間違っているところ、よくわからないところがあればぜひコメントやTwitterで教えてください!
Jでは殆ど見ないシーンですが、U12で可能性がある間接FKとして、キックオフ、PK、直接/間接FK、GK(インプレー後)、CKのキッカーの2度蹴り、及びスローインでのスロワーの2度触りも、相手間接FKでの再開になります。
※いずれもハンドの場合は直接FKになります。
PKとCKと相手ゴール付近のFKのシーンで可能性があるのが、キッカーの2度蹴り(ゴール/クロスバーから跳ね返った場合)や、PKではキッカーの味方競技者の違反(蹴られる前の侵入)辺りでしょうか。先日のシンガポールでの日本vsブラジル戦でのFKのシーンで、ネイマールが2度蹴りしていましたが、レフリーも選手達も、全く気付いていませんでした(苦笑)
他にもまだありますが、気になる方は競技規則をご一読下さい。
私も一昨年に4Q取得して、U12を中心にレフリングをしておりますが、やればやるほど、サッカーのルールは奥が深く、トップレベルでレフリングをしている方々の凄さを理解しているつもりです。
レフリーに対して何かと不満がある方も多いと思いますが、私も管理人様と同様の考えです。
もし日本のレフリーのレベルが低ければ、WC開幕戦で3審全てを任されないはずですから‼︎