消費税増税の点検会合 各界代表から賛否11月4日 18時42分
政府は、消費税率を来年10月に予定どおり10%に引き上げるかどうか判断する際の参考にするため、各界の代表などから意見を聞く「点検会合」の初会合を開き、出席者からは、予定どおり引き上げるべきだという意見が出された一方、引き上げの先送りを求める意見も出されました。
政府は、安倍総理大臣が消費税率を来年10月に予定どおり10%に引きげるかどうか判断する際の参考にするため、エコノミストに加え、経済界や労働組合の関係者などから、引き上げへの賛否や景気の見通しなどについて意見を聞くことにしています。
4日、総理大臣官邸で開かれた「点検会合」の初会合には、麻生副総理兼財務大臣、甘利経済再生担当大臣、それに経済財政諮問会議の民間議員らが出席し、安倍総理大臣に経済政策などを助言している浜田宏一内閣官房参与や、日本商工会議所の三村会頭、それに、連合の古賀会長ら8人から意見を聞きました。
会合の冒頭、麻生副総理兼財務大臣は「安倍内閣では、経済の好循環の実現を目指して頑張っている。消費税率の引き上げに関する経済状況などを総合的に勘案するうえでの参考にさせていただきたい」と述べました。
そして会合では出席者から、「日本の財政や経済に対する信頼を維持するためにも、増税は避けられない選択だ」などとして、予定どおり引き上げるべきだという意見が出された一方、「低所得者への影響が非常に大きく、このタイミングでの増税は見送るべきだ」などとして引き上げの先送りを求める意見も出されました。
「点検会合」は、4日から今月18日までの間、5回に分けて開かれることになっていて、各界の代表など合わせて45人が意見を述べることにしています。
伊藤教授「増税実施すべき」
政策研究大学院大学の伊藤隆敏教授は「景気回復は遅れているが、今後、だんだんよくなっていくはずだ。今、増税を延期した場合、経済が今よりよくならないとまた延期ということになる」と述べました。
そのうえで、「景気が今後ずるずると悪い状況が続くのであれば、景気対策や低所得者対策を組み合わせて対応すべきであり、増税は予定どおり実施すべきだ」と述べました。
日商会頭「増税と景気対策を」
日本商工会議所の三村会頭は「日本の将来と社会保障の安定的な執行を考えると、10%の消費税は必要だ。来年10月の実施については、流通業界の会員企業から年末商戦にダイレクトに影響するとの懸念の声も出ているが、予定どおりに増税するほうが日本の将来にとって大事なのではないか」と述べました。
そのうえで、「増税についてはこれだけ議論があるので、みんなに安心感を与えることが必要だ。例えば5兆円規模の経済対策も必要ではないか」と述べました。
連合会長「粛々と引き上げを」
連合の古賀会長は会合のあと、記者団に対し、「社会保障と税の一体改革は、少子高齢化や人口減少が進むなかで待ったなしの状況であり、法律に沿って粛々と消費税率を引き上げるべきだ。ただ、働くものや生活者にとって景気回復の実感はないし、将来への不安があることも事実なので、低所得者などへの手当てを早急に行うべきだ」と述べました。
内閣官房参与「所定の増税賛成せず」
安倍総理大臣に経済政策などを助言している浜田宏一内閣官房参与は記者団に対し、「きょうの会合では、『所定のような形で増税することには賛成できない。今、日本丸はふらふらしていて、金融で支えてもらっているなかで、内閣が冒険する意味があるのか』と発言した。消費税率を10%に引き上げるのが来年10月というのは最悪なのではないかと思っており、1年半とか、1年3か月か4か月、延期することに賛成だ」と述べました。
そのうえで、浜田参与は、「今、無理に増税して、『アベノミクスが役に立たない』ということになって、全部が崩れてしまったり、世界の信頼がなくなったりすることのほうがずっと怖い」と述べました。
消費者団体「暮らしの実感から反対」
全国消費者団体連絡会の河野康子事務局長は「円安による原材料費の上昇で、食料品などが値上がりしているうえに、ことし4月には消費税率の引き上げがあり、家計にはボディーブローのようにその重みが効いてきていて、非常に厳しい状況にある。10%に引き上げるという判断は、暮らしの実感からして反対だ」と述べました。
そのうえで、「国民からすると、将来の期待よりも、生活を維持することに非常に苦労しているので、今の状況が改善したことが実感できたときに、消費税率の引き上げについて改めて考えるべきだ」と述べました。