西堀岳路
2014年10月28日16時37分
応援したい自治体へ寄付すると所得税などが軽減される「ふるさと納税」で、埼玉県鶴ケ島市が特典制度を改革したところ、開始後1カ月足らずで寄付額が昨年度1年間の45倍に達した。20日現在で1517件、約2256万円で、これは目標額とした1050万円の倍以上。寄付の受け付けや特典の発注などの対応に追われる市は、うれしい悲鳴を上げている。
寄付のお礼に贈る特典がお茶だけだった昨年度、寄付額は約50万円にとどまった。このため、市は特典を寄付額1万円につき22種類、同3万円につき8種類に増やした。特典は、米やハム・ソーセージセット、冷凍ぎょうざ、Nゲージの鉄道模型など市内で生産、加工された製品。寄付額によって複数、あるいは数種類を組み合わせて注文できるしくみも採り入れた。
9月24日から募集を始めると、市の予想を上回る人気ぶり。市が契約した企業や生産者に特典を発注するための予算525万円を使い切ったため、急きょ1250万円を専決処分で追加。多い日の寄付件数は100件ほどで、5人の担当職員では事務作業が追いつかなくなり、11月から臨時職員を1人雇うことにした。
担当者は「有名な地場の農産物、海産物がないなかで品物をそろえたが、逆にそれが潜在的なニーズを掘り起こせて良かったのかもしれない。正直、驚いている」と話している。(西堀岳路)
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朝日新聞社会部
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