大学入試改革:英語にトーフルなど民間試験活用

毎日新聞 2014年10月24日 08時00分

 ◇中教審の答申素案、21年度入学者から実施目指す

 大学入試改革などを議論している文部科学相の諮問機関「中央教育審議会(中教審)」の答申素案が23日、明らかになった。現行の大学入試センター試験を衣替えした「大学入学希望者学力評価テスト」(仮称)で学力を測り、各大学個別の試験では面接や小論文、集団討論を実施。受験生の能力を多面的に評価する方式への転換を求めた。英語は、「読む」「書く」「話す」「聞く」の四つの能力を測るよう、米国の「TOEFL(トーフル)」など民間が実施する試験の活用を提言。抜本改革を打ち出した。中教審は年内の答申を目指す。【三木陽介、坂口雄亮】

 学力評価テストは、当面はセンター試験のような教科型に加え、教科の枠組みを超えた「合科目型」「総合型」の問題を導入する。将来的には教科型は廃止する。年複数回実施し、結果は現行の「1点刻み」式から複数のレベルに分けて評価する方式に改める。現行のセンター試験が難関大を目指す受験生には「易し過ぎて差がつかない」との指摘があるため、比較的易しい問題から難解な問題までを網羅し、難度の幅を広げる。回答方式は選択(マークシート)式に記述式を加える。2021年度入学者からの実施を目指し、合科目・総合型問題は16年度中に問題例を公表、17年度中に試行テストを実施する。

 各大学の個別試験は、受験生の「主体性・多様性・協働性」を重視して選抜する方式に転換。面接、小論文、集団討論、部活動や課外活動の記録など、高校時代にどのような経験をしたかを重視する「多面的な判定」を提言した。

 個別試験でも学力テストを実施したい場合は「記述式・論述式」にするよう求めた。

 一方、「高校生が共通して身に着けておくべき基礎学力」を定着させるため「高校基礎学力テスト」(仮称)を新設する。科目は国語、数学など主要6教科を想定し、高校2年生から年間2回程度の受験機会を与える。回答方式は選択式。

 難易度の低い大学の入試では、学力担保のために基礎学力テストの活用を提案した。19年度実施を予定している。

 両テストとも大学入試センターを改組し、作問・実施する。

 英語に関しては、従来の「読む」「書く」中心の入試を見直す。学力評価テスト、基礎学力テストともに「話す」「聞く」も加えた4技能を測る民間の外部試験の活用を打ち出した。

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