動画ニュース
エア・フェスタ浜松2014
(撮影:常葉大学映像部)
一面「仮設にカーシェア」男性苦闘 50社に断られ…今65台
宮城県石巻市で、仮設住宅の複数の住民が1台の自動車を使い合う「カーシェアリング」が定着した。一人のボランティアが東日本大震災の直後に動きだした。当初、車の提供を求めて飛び込みで事業所を回ったが、断られ続けた。今では中古車65台を確保し、被災者の生活を支え、再建への意欲をもたらすきっかけにもなっている。 二〇一一年三月の震災直後、大阪市で医療事務をしていた吉沢武彦さん(36)が、炊き出し用品を届けるため福島県いわき市を訪れ、津波に流された大量の車を目にした。「車は生活に欠かせない。いずれ住民に必要になる時が来る」と考えた。 仕事の傍ら「営業車っぽい白い車」が駐車場にある会社を見つけては、飛び込みで「車を譲っていただけませんか」と依頼。何度も断られ、福岡県まで足を延ばしたこともあった。
五月下旬、五十数社目となる京都府宇治市の物流会社からようやく乗用車一台を譲り受けた。知人がボランティア活動をしている石巻市に事務所を置き、日本カーシェアリング協会と名付けて代表理事に就任。七月から仮設の住民に無償で貸し出した。 抽選で入居が決まる仮設住宅では、震災前に別の場所に住んでいた住民が隣り合わせになることが多く、人間関係が希薄になりがち。カーシェアリングでは参加者同士が使う日時を決めるため自然と会話が生まれる。高齢者を病院や買い物に連れて行ったり、旅行やプロ野球・楽天の観戦に出かけたりするケースも出てきた。 「家も車もなくしたが、また車に乗れた。行動範囲が広がり、人生をもう一度やり直そうと思った」「送迎をしたお年寄りから『ありがとう』と言われ、ギャンブル漬けの生活から抜け出せた」。協会に寄せられた感謝の声だ。吉沢さんは「車一台で、こんなに喜びが生まれるとは」と活動に手応えを感じている。 中古車買い取り大手のガリバーインターナショナル(東京)が三十一台を寄付し、協力企業が増えている。今年に入り、ボランティアや観光客向けのレンタカー事業も始めた。協会と提携する石巻市内のボランティア団体に五千円を寄付すれば、レンタカー料金は通常の半額程度になる。利用料で車検代を捻出し、再び住民向けに貸し出す狙いもある。 震災から三年七カ月。ボランティアで訪れる人も少なくなった。活動を進めるため石巻に移り住んだ吉沢さんは「旅行でもいいので来てほしい。被災地のことを忘れないで」と望む。問い合わせは協会=電0225(22)1453=へ。 (戸川祐馬) <カーシェアリング> 主に都市部で、レンタカー会社などに登録した会員が車を短時間借りる仕組みで、会員の横のつながりはない。これに対し、日本カーシェアリング協会は、仮設住宅の自治会や住民有志のグループに協会が所有する車を無償で貸し出す。名義変更などの経費や1年目の任意保険料は協会への寄付金で賄い、ガソリンや車検などの経費は各グループが負担する。 PR情報
おすすめサイトads by adingo
');
}
// -->
|
|
Search | 検索