WEB特集・フェイスブック乗っ取り被害急増
世界最大の交流サイト「フェイスブック」。
利用している人も多いと思いますが、自分のページが何者かに乗っ取られ、その友人たちに通信販売のサイトを紹介する書き込みを送られる被害がことし7月ごろから相次いでいることが分かりました。
こうした通販サイトは偽ブランド品などを扱っているとみられ、セキュリティー会社が注意を呼びかけています。
私たちに身近なインターネットサービスに何が起きているのか、どう対策すればいいのか、科学文化部の黒瀬総一郎記者がお伝えします。
被害の実態
フェイスブックは、通常、自分のIDとパスワードを打ち込んで利用します。
パスワードを他人に知られないかぎり、他人が自分の名前で書き込みをすることはありません。
しかし、東京都内に住む20代の女性は、先月、10分間に15人以上の友達から書き込みの異変を知らせるメールを受け取り、自分のページを乗っ取られ、身に覚えのない書き込みを勝手にされていることに気付きました。
書き込みは、「夏は自分に似合うメガネが重要だ」などということばとともにサングラスの写真を紹介し、ブランド物のサングラスが通常より大幅に安く買えるので、買わないかと呼びかけていました。
書き込みには通販サイトのリンクが貼られていて、クリックした先のページでは、サングラスが通常の半額以下、中には9割引きという大幅な割引で販売されているものもありました。
しかし、このサイトは、実際は、注文しても商品が届かなかったり、コピー商品を送りつける、偽の通販サイトとみられています。
“タグ付け”悪用
フェイスブックには、「タグ付け」と呼ばれる自分が書いたコメントや写真を友達に見てもらうよう伝える機能があって、この女性の場合、いつの間にか100人ほどが「タグ付け」されていました。
女性は、友人からの指摘を受けて、すぐに書き込みを削除しため、被害には誰も遭いませんでしたが、女性は「書き込みを放置していたら、買った人もいたのかなと思う。友達関係にひびが入ったらと思うと許せない」と話していました。
NHKがインターネット上の書き込みなどを調べた結果、フェイスブックが乗っ取られてサングラスの購入を呼びかけられる被害は、この女性以外にも数多くありました。
このサングラスのメーカ−は「偽ブランド品を送る偽サイトとみられ、利用者は注意してほしい」と話していて、今後、ホームページなどを通じて注意喚起を行うことも検討しているということです。
原因は?
相次ぐフェイスブックの乗っ取り。
どうしてこのようなことが起きてしまうのか、セキュリティー会社などは、▽ほかのサービスでも同じIDやパスワードを使っていて、それが流出した可能性や、▽フェイスブックとあわせて利用するアプリが悪用された可能性を指摘しています。
乗っ取り被害 ほかにも
実は、こうしたSNS(ソーシャルネットワークサービス)の乗っ取りは、これまでにも起きていました。
スマートフォンの無料通話アプリ、LINE(ライン)では、ことし5月以降、利用者のIDが何者かに乗っ取られ、その友人などが電子マネーを購入するよう持ちかけられる被害が相次いでいます。
厳禁!パスワード使い回し
セキュリティー会社、トレンドマイクロの高橋昌也さんは「オンラインショッピングやSNSといったウェブサービスでパスワードを使い回すことによって不正ログインをされてしまうため、使い回しはやめてほしい」と話しています。
ただ、インターネットで、さまざまなサービスで異なるパスワードを使い、それを一つ一つ覚えるのは容易ではありません。
パスワード管理方法は?
高橋さんは、パスワードの管理のしかたとして、▽通常持ち歩かない手帳などに記入し、自宅の金庫などに保管するといったシンプルな方法のほか、▽表計算ソフトにそれぞれのパスワードを記入し、そのファイルにパスワードをかける、▽複数のパスワードを1つのパスワードで管理するソフトを利用することなどが効果的だと話しています。
また、パスワードの使い回しをやめること以外にも、フェイスブックとあわせて利用するアプリで不審なものを削除したり、安易にフェイスブックとの連携を承認しないことも、乗っ取り被害を防ぐには効果的だと話しています。
被害8か月で2000件
一方、こうしたフェイスブックなどによって誘導される手口も登場したことで、偽の通販サイトを巡るトラブルの相談も急増しています。
東京都中央区にある通信販売会社で作る業界団体、日本通信販売協会には、先月までの8か月間で2000件近くの相談が寄せられました。
偽サイトで“廃業”も
偽の通販サイトは国内の通信販売事業者にも大きな被害を与え始めていて、京都府京丹後市で子ども服を扱う通販サイトを父親とともに10年にわたって運営してきた下谷拓也さんは、去年の夏から、自分の店をかたる偽のサイトを次々と作られ、廃業を余儀なくされました。
客から「商品が届かない」という問い合わせが相次いで、信用が失われ、事業を継続することができなくなってしまったのです。
下谷さんは「結局のところ、偽のサイトが減るということは、いっこうになく、増え続ける一方だった。こういう事態に追い込まれてしまったのは悔しい」と話していました。
偽の通販サイトを巡っては、消費者庁が注意を呼びかけているほか、警察庁も対策を強化してきましたが、被害は拡大しています。
日本通信販売協会の八代修一室長は、偽の通販サイトの典型的なケースとして、「個人口座に代金を振り込んだあと商品が送られてこないため、問い合わせをしても連絡がつかない。その時点で初めてだまされたと気付く」と説明しています。
偽通販サイト 見破るには?
偽の通販サイトをどう見分ければよいのか。
▽偽のサイトでは商品の値段が極端に安すぎることがあり、安すぎるものには何か裏があると考えることが必要です。
▽また、支払方法が不自然な場合もしばしば見受けられます。
カード払いができず、銀行振込のみとなっている場合や、会社を名乗るサイトなのに振込先の口座が個人名義になっている場合には注意が必要です。
また、電話番号が書かれていなかったり、サイトの日本語が不自然なときなども注意が必要です。
おかしいなと思ったときは、販売者に電話で直接、問い合わせてみることも、被害を防ぐのに効果的です。
フェイスブックの乗っ取りや、誘導される偽の通販サイトでの被害は、事業者などに対策が求められますが、被害の手口はより巧妙化、複雑化しているため、インターネット利用者一人一人の注意や防御策が求められています。
投稿者:かぶん | 投稿時間:09:19
| カテゴリ:科学のニュース
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