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 クマの出没が後を絶たない。岐阜県白川村では住民2人が襲われてけがをした。クマは山のえさ不足で人里に近付いている。目撃が多い高山市では公園や通学路などを重点に注意喚起の看板設置を始めた。記者も思いがけず、クマに出合った。

 「あっ、クマだ」

 高山市清見町のせせらぎ街道から数百メートル入った別荘地。休暇で仕事の関係者とバーベキューを楽しんでいた15日午後5時過ぎ、私たちがいた高さ約1・5メートルのウッドデッキから20メートルほどの林に、黒々としたクマがのそのそと姿を現した。体長1・5メートルほどか。成獣だ。

 別荘地は山と沢に囲まれた雑木林の中にある。斜面上の茂みから「バキッ、バキッ」と枝を折るような音が立て続けに聞こえていた。しばらくして姿を見せたクマは私たちに全く気付いていない様子。バーベキューの肉や魚のにおいに誘われたのではなさそうだ。