韓国大統領:「戦時女性への性暴力」批判 国連演説

毎日新聞 2014年09月25日 10時36分(最終更新 09月25日 10時51分)

国連総会で演説する韓国の朴槿恵大統領=米ニューヨークの国連本部で24日、ロイター
国連総会で演説する韓国の朴槿恵大統領=米ニューヨークの国連本部で24日、ロイター

 【ニューヨーク草野和彦、ソウル大貫智子】韓国の朴槿恵(パククネ)大統領は24日、国連総会の一般討論で演説した。大統領就任後、初めての国連演説で、旧日本軍の従軍慰安婦問題を念頭に「戦時の女性に対する性暴力はどの世代、どのような地域かを問わず、人権と人道主義に明らかに反する行為」と主張した。日本を名指ししての批判はなかった。

 大統領は慰安婦問題を最重要視する一方、最近は日韓関係改善への姿勢もみせている。国際的に賛同を得やすい「女性の人権問題」を全面に出すことで、間接的に慰安婦問題を国際社会に対して提起しつつ、強い日本批判は避けたようだ。

 演説では「韓国は、紛争地域で苦難に直面する子供と女性への人道主義的被害を防止することに大きな関心を持っている」と述べた。

 大統領が演説で最も時間を割いたのは北朝鮮関連で、同国の核兵器は「朝鮮半島と北東アジア地域の平和にとって最大の脅威」と断言し、改めて核放棄を迫った。また「国際社会が重大な関心と憂慮を示している人権問題の一つが北朝鮮の人権問題だ」と指摘。「脱北者が自由意志によって目的地を選べるよう、国連の該当機構や関連国が必要な支援を行うべきだ」と述べ、脱北者を北朝鮮に送還している中国に対し、協力を求めた。

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