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Canon アポダイゼーションフィルタの特許 [光学技術全般]

キヤノンがアポダイゼーションフィルタの特許を出願中です。 光量低下を軽減し、しかも位相差を検出可能だそうです。

Canon Apodization Filter

特許文献の説明・自己解釈

  • 特許公開番号 2014-63100
    • 公開日 2014.4.10
    • 出願日 2013.9.24
  • キヤノンの特許の目的
    • アポダイゼーションフィルタによるボケ像の改善
    • 光量の低下を抑制
    • 透過率の対称性が確実に図られる
  • キヤノンの特許
    • 射出瞳を分割し、撮像面でも分割して受光する
    • 射出瞳の分割された領域は、アポダイゼーションフィルタを備えるものとそうでないものがある

公開日は少し前ですが紹介するのを忘れていました。ヌルポンさんのコメントで思い出しました。すみません。

位相差を検出出来ないワケ

ミノルタやソニー135mm F2.8[T4.5]STFや、富士フイルムのXF56mm F1.2 R APDはどうして位相差を検出出来ないのでしょうか。 それはキヤノンが特許を取得しているからです。

冗談みたいな話ですが、実際にキヤノンの特許第4428961号で登録されています。

技術的な理由は、ミノルタ135mm F2.8[T4.5]STFを発売した頃のカメラ雑誌を読んでご存知の方も多いでしょう。 アポダイゼーションフィルタとは瞳位置に周辺減光を設ける特殊フィルタ。 しかし照度分布が一様にならず焦点検出誤差を生じるとのことです。 キヤノンの特許第4428961号はアポダイゼーションフィルタに濃度が一定になる部分を設けて、その部分を見て位相差を検出可能にするそうです。 しかし濃度分布がないとボケの質が改善しないとのこと。 特許第4428961号はキヤノンが2003年に特許出願しましたが、製品化は見送ったようですね。

APDフィルター搭載レンズにおいて、世界で初めてAF撮影を実現。高精度なコントラストAFによる撮影が可能です。 http://fujifilm.jp/personal/digitalcamera/x/fujinon_lens_xf56mmf12_r_apd/features/

因みにフジノン XF56mmF1.2 R APDは、コントラストAFが可能とは書いてありますけど、位相差を検出可能とは書いていないですね。

キヤノンの特許

今回紹介するキヤノンの特許申請は、位相差検出画素との合わせ技みたいなものですね。 瞳位置は4分割、1ピクセルも4分割されます。 クアトロピクセルCMOS AFが必要になりますね。クアッドピクセルCMOS AFでしょうか。

アポダイゼーションフィルタを4分割された瞳位置の内1つに設ければ、1ピクセルの内1つのサブピクセルがアポダイゼーションフィルタによる像となり、残る3つのサブピクセルは通常の像となり位相差を検出出来ます。 画質の改善は不明ですが、位相差検出を使えるので、アポダイゼーションフィルタの効果をMF操作不要で楽しむことが出来ますね。


タグ:Canon filter Bokeh
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コメント 1

hi-low

この光学系は、開放ではアポダイゼーションフィルターが機能しますが、絞っていくとボケが複雑に変化しますね。
by hi-low (2014-09-25 08:08) 

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