地下鉄名古屋駅浸水:高層ビルの掘削工事が原因か
毎日新聞 2014年09月25日 11時44分(最終更新 09月25日 12時05分)
25日午前3時ごろ、名古屋市中村区の市営地下鉄東山線名古屋駅が大雨の影響で浸水し、午前5時半の始発から高畑(同市中川区)−池下(同市千種区)間で運転を見合わせた。午前10時半現在、岩塚(同市中村区)−池下間が不通となっており、振り替え輸送などが行われた。市交通局は、駅北部で建設中の高層ビル「JPタワー名古屋」の掘削工事が原因の可能性があるとみて、施工者などに調査を依頼した。
市消防本部によると、同日午前3時10分ごろ、名古屋駅の駅長室が浸水したと通報があった。地下1階部分が一時15センチ程度水につかったうえ、地下2階のホームにも水が流れ込み、線路が冠水したという。市交通局がポンプで排水し、午前6時ごろにはほぼ水は引いたが、点検作業に時間がかかり、復旧の見通しは立っていない。
名古屋地方気象台によると、東海地方では25日未明、前線を伴う温帯低気圧が能登沖を東北東へ進んだのに対し南から暖かく湿った空気が流れ込み、愛知県などで局地的に非常に激しい雨が降った。同市内では午前3時45分ごろまでの1時間に30.5ミリの雨を観測した。レーダー解析雨量は名古屋市中区で午前3時までの1時間に約65ミリ、中村区で同約30ミリなど。
市交通局の担当者は「単なる自然災害が原因とは考えにくい」と指摘。JPタワー建設に伴う掘削工事現場内にある地下鉄への仮設給気口から、たまった雨水が流れ込んだとみられるという。施工者の竹中工務店名古屋支店は「市交通局からの依頼を受けて調査している。現時点で因果関係は不明」としている。
運転見合わせの影響で、朝の名古屋は通勤、通学客で混乱した。【駒木智一、金寿英、花岡洋二】