平林大輔
2014年9月25日06時00分
九州電力は24日、太陽光など再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)に基づく新たな契約の締結を、九州のほぼ全域(一部離島を除く)で中断すると発表した。出力の変動が大きい太陽光発電などの接続が急に増えると、電気を安定的に送れなくなる恐れがあるためとしている。他の電力会社でも同様の課題があり、経済産業省も対策の検討を始めた。
九電は、すべての再生エネについて、出力10キロワット以上を発電する民間事業者が九電の送電設備に接続する新規契約を、25日から当面中断する。管内のほぼ全域で新規の契約を中断するのは、原発を持つ9電力で初めて。再生エネの発電事業を計画する事業者の反発は必至だ。一般の家庭が太陽光などの余った電気を売る分については、新規の契約を受け付ける。
太陽光パネルを設置する土地が比較的安く手に入り、日照条件に恵まれた九州では、パネルの設置申請が多かった。そこに、買い取り価格が減額される前の3月末までに「駆け込み」の接続申し込みが殺到し、供給が需要を大きく上回る見通しとなったため、中断に踏み切った。九電によると、太陽光は天候による発電量の変動が大きく、大量に送電線に受け入れると周波数が乱れたり、停電したりする場合があるという。(平林大輔)
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