佐藤圭司
2014年9月22日16時05分
将棋の朝日アマ名人の今泉健司さん(41)=広島県福山市=が、23日から日本将棋連盟が実施する異例のプロ編入試験に挑む。14歳でプロ棋士養成機関「奨励会」に入って27年。合格すれば戦後史上、最年長のプロ入りとなる。幾多の挫折にくじけずチャンスをつかんだ男の大勝負が始まる。
将棋のプロ志望者は奨励会に入り、会員同士の競争を勝ち抜いた者のみがプロになる。奨励会を経ずプロに迎える編入試験は極めてまれで、これまで特例で実施された1944、2005年の2回しかない。
史上3人目の受験者となる今泉さんは、20代の若手プロ5人との五番勝負に臨む。今月から月1局のペースで指し、3勝すれば合格する。開幕に備え、日課となった詰将棋1日千題を解き続ける。
粘り強さが身上だ。序盤で作戦負けしても諦めず、プロ相手に何度も逆転勝利してきた。活躍が評価され、今年4月にアマチュアでは異例の将棋本「最強アマ直伝!勝てる将棋、勝てる戦法」を出している。
■2度の退会
「まさか自分がここまで来るとは思わなかった。プロへの道は完全に終わったと思ってましたから」
小学2年で将棋を覚えた。父に97連敗したが、やめなかった。小6の時、広島県のこども将棋名人戦で優勝。中2で関西奨励会に入会し、中学卒業後に単身大阪へ。1994年、21歳でプロへの最終関門・三段リーグに入った。順調に思えたプロへの道は、ここから長いトンネルに入る。
三段リーグは半年ごとに18局指し、上位2人が四段に昇りプロと認められる。しかし原則26歳までに枠抜けしなければ、奨励会を去らねばならない。
おすすめコンテンツ
PR比べてお得!