【今日のチャート】米自動車ローンブーム、債権の質が悪化
9月11日(ブルームバーグ):米国での自動車ローンの借り入れブームが終わりに近づきつつある。パビリオン・グローバル・マーケッツの世界戦略・調査責任者ピエール・ラポワント氏はこう指摘する。
今日のチャートは、米連邦準備制度の四半期データに基づく自動車ローン総額(黒)とその前年同期比(赤)だ。総額は15四半期連続で増え、2005年以来最長の拡大局面となっている。今年4-6月(第2四半期)は9.2%増と、02年以来の大きな伸び率だ。チャートではリセッション(景気後退)の時期を赤い縦棒で示した。
ラポワント氏らは10日のリポートで、歴史的低水準にある金利と銀行・ローン会社間の競争で乗用車やトラックを買うための借り入れが促され、「クレジットの質が悪化しつつある」と分析した。
ニューヨーク連銀がまとめたデータは、返済が滞っている自動車ローンが6月末時点で151億ドル(約1兆6100億円)と、昨年の同じ時期と比べ16%増えたことを示している。バンクレート・ドットコムによれば、米国での新車購入向けの4年物ローンは、平均金利が今月9日現在で3.22%と、現在の景気拡大が始まった09年の半分以下だ。
カナダのモントリール在勤のラポワント氏は「自動車ローンのクレジットサイクルの比較的後期にきている。サイクルが崩れる瀬戸際を意味するわけではないが、注意を要するセクターだ」と記した。
原題:Auto-Loan Boom in U.S. Bringing More Bad Debt: Chart ofthe Day(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク David Wilson dwilson@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Chris Nagi chrisnagi@bloomberg.netJeremy Herron, Jeff Sutherland
更新日時: 2014/09/12 07:30 JST